JR九州、大型商業施設が入る熊本駅ビルの再開発計画を発表

2017年11月9日 06:56

 JR九州は8日、豊肥本線、鹿児島本線の鉄道高架化に伴う新しい熊本駅ビルの概要を明らかにした。大型商業施設とホテル、立体駐車場などを備え、南九州の拠点駅にふさわしい施設とする。ビルは2019年春、建設工事に着手し、2021年春に開業する予定。

【こちらも】JR九州、クルーズトレイン「ななつ星」2018年から大幅なルート変更

 新しい駅ビルは敷地面積1万9,000平方メートル。地下1階、地上12階建て延べ10万7,000平方メートルの建物を建築する。地上1~7階がシネマコンプレックスを含めた商業施設で、店舗面積は3万7,000平方メートル。ファッション、雑貨、飲食、食品の専門店を充実させ、さまざまな世代が利用できる商業施設とする。

 8階は結婚式場やイベント会場として利用できる多目的バンケットが入る。9~12階は客室数200を見込む宿泊主体型ホテルとする。ホテルはJR九州ホテルズの「ブラッサムブランド」がベースになる見通し。駅ビルと直結した駐車場は800台を収容する。周辺に設ける駐車場も含めると、計2,100台分を確保する計画だ。

 専門店街の一角には、新しい駅ビルのシンボルとなる「水と緑の立体庭園」を設け、庭園と専門店の相乗効果で潤いとにぎわいを感じられる空間を造る。駅ビルの大屋根と駅ビル前の駅前広場では、さまざまな情報を発信するほか、イベントにも利用する。

 JR九州は駅ビルだけでなく、駅周辺約7万平方メートルを活用し、駅前の大規模再開発を実施する。駅ビルの北側と西側に立体駐車場を2019年春と2020年春に開業するほか、鉄道高架下にある商業施設延べ7,500平方メートルも、2018年春にリニューアルオープンする予定。

 熊本駅は明治の鉄道開業以来、熊本市の陸の玄関と位置づけられてきた。しかし、中心市街地から南西3キロに位置し、少し距離があるうえ、低層の住宅が密集して周辺の商業に衰退が見られるなど、拠点性を十分に発揮できないでいる。

 JR九州は高架で通る九州新幹線が開通したのに加え、在来線も高架化が進んでいることから、商業の核となる施設を含めて新しい駅ビル建築に踏み切った。(記事:高田泰・記事一覧を見る

関連記事

最新記事