富士通とNetAppが垂直統合型商品「NFLEX」開発 次世代ITインフラ実現へ

2017年11月4日 11:54

 富士通とアメリカのITソリューションサービス企業NetAppは3日、仮想環境の導入と運用をより簡単に実現できる垂直統合型プラットフォーム「NFLEX」を共同で開発したと発表。戦略的なITインフラ実現に向け、2018年の前半よりヨーロッパ、中東、アフリカで販売を開始する予定。

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 垂直統合型商品は、大規模かつ複雑になったITシステムのイノベーションを促進させるプラットフォームだ。ビッグデータの活用やクラウド技術の発達、SNSの普及など、企業に関わる情報伝達技術、つまりICT環境はとてつもない速さで変化しつつある。

 そのような環境を支えるITインフラの顔役はコンピュータ。そのコンピュータは、主にCPUやメモリ、ハードディスクから成るハードウェアと、WindowsなどのOSおよびブラウザなどのアプリケーションに大別されるソフトウェアに分けられる。その2つを統合し、予め検証したうえで顧客に届けるシステムが垂直統合型商品だ。

 既存システムの維持、運営には膨大なコストがかかる。また新たなシステム立ち上げに際して、必要なハードウェアとソフトウェアを組み合わせアプリケーションなどを構築する従来の手法をとっていてはやはりコストも時間もかかり過ぎる。それに対応するために提供されるのがNFLEXのような垂直統合型商品だといえる。

 そして導入の大きなメリットは3つ。1つは新しい技術を低いリスクで手に入れられること。柔軟性と拡張性のある、性能と信頼性が高いハードウェアと操作性の良いソフトウェアを統合した商品を提供するので、状況に応じて構成を選択できる。

 2つめのメリットは、即座に使用できること。構築は工場で行い、それぞれの顧客の基本情報を設定した状態で届くため、短期間、かつ低コストでのシステムの利用が可能。3つめは運用、保守がより効率的に行える、という点だ。そのプロセスの多くが自動化、簡易化されており、手間も時間もこれまでより大幅に減少する。

 NFLEXも、導入に至れば上記のメリットを十全に享受できる見込み。出荷前に富士通とNetAppが工場にて各ハードウェアを1つのラックに搭載し、ソフトウェアのインストール、事前動作検証を行うので、導入後の不具合発生リスクは最小化される。

 信頼性の高いITインフラの提供とともに仮想環境の導入や運用も効率化され、さらに低消費電力性は運用コストの削減にも寄与する。加えて顧客は搭載するサーバ数やメモリとストレージの容量、種類を用途に応じて選択し、また高いレスポンス性能により今後のビジネス展開に合った形に調整、拡張できるようにもする。(記事:小椋恒示・記事一覧を見る

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