Kaspersky、同社ソフトが米当局のハッキングツール情報を収集と認める
2017年10月31日 16:00
先日、Kaspersky Labのセキュリティソフトによって米国家安全保障局(NSA)の機密情報が盗まれたという報道があったが(過去記事)、Kasperskyがこれを否定する内容の内部調査報告を発表した(ZDNet、CNET Japan、Reuters、Slashdot)。
問題となっているのは、NSA職員の個人用PCにインストールされていたKaspersky LabのセキュリティソフトがNSAが使用するハッキングツールをマルウェアと判断し、そのハッキングツールの情報をKasperskyに送信していたというもの。ここで送信された情報がKaspersky経由でロシア政府のハッカーに渡った疑いがもたれている。
Kaspersky Labの発表などによると、一連の問題はNSA職員が個人のPCにMicrosoft Officeのアクティベーションキーを不正に作成するツールをダウンロードしたことが発端だという。このツールにはマルウェアが含まれており、その後Kasperskyのセキュリティソフトがシステムをスキャンしてそれを検知。この際にNSAのハッキングツールもマルウェアとして検出され、解析のために自動的にKasperskyにその情報が送信されたとのこと。
ただし、KasperskyはNSAのハッキングツールの情報を取得したことは認めたものの、ロシア政府や「ロシアのスパイ」への流出は否定している。Kaspersky側は、アクティベーションキー作成ツールに含まれていたマルウェア経由でツールが流出したのではないかと見ている。