任天堂、ソフトバンクG、ルネサスなど/本日の注目個別銘柄

2017年10月31日 15:39


<7974> 任天堂 43800 +930大幅反発。上半期決算を発表、営業利益は399億円で前年同期59億円の赤字から黒字転換を果たし、通期計画は650億から1200億円に上方修正、通期配当金も190円から360円に引き上げている。通期営業利益のコンセンサスは1300億円弱で、サプライズは乏しいものの、現段階での大幅上方修正にはやや意外感、増配発表も会社側の下期に対する自信の表れと評価へ。主力の「ニンテンドースイッチ」の好調が主因に。

<9984> ソフトバンクG 9947 -483大幅反落。同社傘下で米携帯電話4位のスプリントと同3位のTモバイルUSの経営統合に向けた協議を打ち切る方針と報じられている。統合新会社の筆頭株主となることを互いに主張し続けたため、交渉の最終局面で折り合いがつかなかったもようだ。今月中旬には経営統合大筋合意と伝わり、安心感も高まっていただけにネガティブインパクトに。米携帯事業の先行き不透明感が再度株価の重しになっていくとの見方も。

<4452> 花王 6836 -388急落。17年12月期の第3四半期決算を発表。7-9月期の営業利益は504億円で、コンセンサスの560億円を大きく下回った。SMBC日興証券は「前年同期は紙おむつ事業が大幅に落ち込んだ時期で、反動増が見込まれると思われていただけにややネガティブな印象」と指摘。ビューティケア事業の利益が前年同期比39億円の減少となった他、ファブリック&ホームケア事業とケミカル事業の原料高も利益の押し下げ要因に。

<2440> ぐるなび 1461 -286急落。18年3月期上期決算と通期予想の下方修正を発表。営業利益は前年同期比約20%減の28.2億円と従来予想水準、通期見通しは69億円から45億円に引き下げ、一転しての減益見通しとなったことが嫌気された。また、みずほ証券は投資判断を「買い」から「中立」、目標株価も2200円から1600円に引き下げた。解約件数には一巡感がみられたが、新規契約を期待ほど上積み出来ず、来期にも響く恐れがあると指摘。

<6395> タダノ 1715 +292一時ストップ高。前日に上半期の決算を発表、営業利益は85.5億円で前年同期比15.3%減益となったが、従来予想の70億円は上振れる着地となっている。国内向け建設用クレーンは減少したが、販売価格の改善や円安効果などが収益を押し上げた。第1四半期営業利益は半減と大きく落ち込んでいただけに、足元の収益急回復は想定以上との見方に。過度な警戒感が後退して、通期予想の上振れ余地なども浮上する展開。

<3092> スタートトゥ 3090 -290大幅続落。第2四半期決算を発表、7-9月期営業利益は59億円で前年同期比5%増益、70億円程度であった市場予想を大幅に下回った。4-6月期の同59%増益と比較して増益率も鈍化へ。PBに関する費用増が市場想定比での収益下振れの要因。通期計画の未達懸念にまでは至らないものの、市場コンセンサスの低下は想定される状況に。ヤマト運輸の配送料引き上げの影響やアマゾン進出の影響などにも不透明感が残る。

<6754> アンリツ 1063 +108大幅反発。上半期決算を発表、営業利益は5.7億円で前年同期比34.1%の大幅減益となったが、悲観的な見方が強まっていた中で短期的な悪材料出尽くしと捉えられたようだ。海外子会社におけるリストラ費用を考慮すれば、実質的には市場想定通りの着地。また、7-9月期の計測事業の受注高が142億円で前年同期比11.1%増となり、12四半期ぶりの増加に転じている。業績ボトムアウトの兆しと受け止められている。

<7752> リコー 1046 -82大幅続落。前日に第2四半期決算を発表、7-9月期の営業利益は約31億円で前年同期比45.7%減益となり、ほぼ市場予想水準での着地となった。通期予想も下方修正済みであり、決算数値自体にはインパクトは乏しい。ただ、MFPの減収が想定以上だったほか、構造改革費用が従来の450億円から395億円に減額されており、構造改革の前倒し実施が必要との見方が強い中、ネガティブ材料に捉えられたようだ。

<4062> イビデン 1883 -127大幅反落。第2四半期の決算を発表。7-9月期営業利益は39億円で前年同期比5.2倍、4-6月期よりも増益率は拡大、着地としては市場予想水準となっている。DPFを含むセラミック部門の好調がけん引役となる形に。ただ、今後の業績成長に向けて注目度の高い電子部門の収益伸び悩みが懸念されて、直近で高まっていた期待感が剥落する状況に。同部門の今期営業利益計画は50億円から20億円に引き下げられた。

<6770> アルプス電 3445 +140大幅続伸。前日に発表した第2四半期決算が好感される。7-9月期営業利益は227億円で前年同期比約2.5倍、市場予想の180億円レベルを大きく上回った。スマホやゲーム向けなどの民生用部品が好調であったとみられる。通期業績予想は610億円から673億円に上方修正しているが、上期上振れ分と為替の前提変更を考慮したのみであり、一段の上振れも期待できると見方が優勢のようだ。

<6723> ルネサス 1450 +69後場に急伸。トヨタ自<7203>に演算処理用の高性能半導体を供給すると発表。トヨタは20年発売予定の高級車モデルで、高速道路において自動走行できる「レベル3」自動運転技術を初めて搭載する方針。周辺状況から次の行動を決める高い演算処理能力を備えた同社の大規模集積回路(LSI)と車体制御するマイコンが採用されるようだ。今後の同社製品の採用の広がりに対する期待感が広がったもよう。《DM》

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