Google Playプロテクトのマルウェア検出性能は不十分か
2017年10月29日 22:53
ドイツの独立系ITセキュリティ機関 AV-TESTが実施したAndroid向けアンチウイルスソフトウェアのテスト結果によると、Googleの「Google Playプロテクト」では流行中のマルウェアの3分の1以上を検出できなかったそうだ(The best antivirus software for Android、The Next Webの記事、Tom's Guideの記事)。 Google PlayプロテクトはGoogle Playに組み込まれたセキュリティサービスで、7月から提供が開始されている。今回のテストは9月分で、Google Playプロテクトは初の評価となる。テストではマルウェア検出率(テスト時点で流行しているマルウェア/4週間以内に発見された新しいマルウェア)による「Protection」と、パフォーマンスへの影響と誤検出数(Google Playで公開されているアプリ/Google Play以外で公開されているアプリ)による「Usability」の2項目について各6点満点で評価される。なお、テスト環境はAndroid 6.0.1で、各ソフトウェアはテスト時点の最新版を使用している。 Google Playプロテクトのテスト結果は、パフォーマンスへの影響なし、誤検出0件で、Usabilityのスコアは6点満点を獲得している。しかし、マルウェア検出率は流行中のマルウェアが65.8%、新しいマルウェアが79.2%で、Protectionのスコアは0点となった。今回テストされた21本のうち、認定証を獲得できなかったのはGoogle Playプロテクトのみだ。なお、そのほかのセキュリティ機能もチェックされているが、評価の対象にはなっていない。 ほかのソフトウェアは全体に検出率が高く、流行中のマルウェアでは15本が99%以上の検出率で、うち6本は検出率100%だ。検出率80%未満だったのはGoogle Playプロテクトのみ。新しいマルウェアについては、18本が99%以上の検出率で、うち13本は100%。Google Playプロテクト以外はすべて検出率が90%を超えている。一方、誤検出やパフォーマンスへの影響がみられたのは4本のみで、Usabilityのスコアは最低でも5点となっている。 今回、特に成績が良かったのはAVLとBitdefender Mobile Security、Cheetah Mobile Security Master、Norton Mobile Security、Trend Micro Mobile Securityの5本で、すべて検出率100%、パフォーマンスへの影響なし、誤検出なしとなっている。