日本銀行のステルス・テーパリングは進行中?~eワラントジャーナル(馬渕磨理子)
2017年10月27日 09:12
*09:12JST 日本銀行のステルス・テーパリングは進行中?~eワラントジャーナル(馬渕磨理子)
こんにちは、フィスコマーケットレポーター馬渕磨理子の「eワラントジャーナルの気になるレポート」です。
eワラント証券のコラムで「日銀の量的緩和政策の出口」について興味深い記事を見つけましたのでご紹介いたします。
米連邦準備制度理事会(FRB)は10月から米国債などの保有資産の圧縮を始めましたが、日本銀行はどうなっているのでしょうか?気になっている方も多いと思います。そこで、日銀は量的緩和政策の出口について同コラムでは述べています。
日銀は現在、量的緩和政策の出口、いわゆるテーパリングについて具体的な方針を示していません。しかし、同コラムでは『日本銀行の国債保有残高の変化率が落ちてきて』いることから、『日銀は明示しないテーパリング、“ステルス・テーパリング”を着実に続けている』かもしれないとの興味深い分析をしています。
2017年9月末時点で『日本銀行が貸借対照表に資産計上した国債の残高は435.9兆円』にまで膨らんでいます。しかし、注目すべきは国債残高自体ではなく、その『変化率』です。同コラム内の図表を見ると、国債残高の変化率は低下傾向が続いています。その原因は『保有残高が膨らんだ』ことだと同コラムでは述べています。つまり、『国債を一定額で買い続けていれば、保有残高が積み上がるほど変化率は小さく』なるということです。『例えば100兆円保有時の1兆円の買いは1%ですが、400兆円保有時の1兆円の買いは0.25%です。残高が大きくなるほどインパクトは小さくなります』と具体例を交えて解説しています。
国債残高の変化率が0%を下回ると、テーパリングだと言えるようです。現在、変化率は0%に近づいています。国債残高の変化率が0%以下になることは、量的緩和政策の影響が大きい日本株相場にとっては悪材料だと考えられます。直近の事例として2006年2月末を同コラムでは事例として挙げています。当時、『変化率がマイナス』となり、『その後の日本株相場はピークを付けて反落』しました。『国債残高の変化率が低下する、“ステルス・テーパリング”によって今年の年末にかけて日本株相場がピークを付ける可能性には注意したほうが良さそう』だと同コラムでは、鋭い分析をしています。
なお、上記の記事の詳細は、eワラント証券が運営している「eワラントジャーナル」の10月16日付のコラム「日本銀行のステルス・テーパリングは進行中?」にまとめられています。
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フィスコマーケットレポーター 馬渕磨理子《DM》