10年ぶり大改訂の岩波書店『広辞苑 第七版』、2018年1月12日発売へ
2017年10月25日 16:16
日本の国民的な辞書として知られる岩波書店の『広辞苑』が10年ぶりの改訂を受け、2018年1月12日、第七版として刊行される。
『広辞苑』の歴史は1955年に遡る。1935年の『辞苑』を全面改訂・一新し、名を改めたのが始まりだ。最も多くの発行部数を数えたのは1983年の第三版であり、260万部に達している。なお、この第三版は、時代の流れを反映し、1987年にCD-ROM版が刊行されている。
1991年の第四版は電子辞書にも搭載され、1998年の第五版は、2001年から携帯電話での利用も可能となった。2008年の第六版は、現在、iOS版とAndroid版が存在している。そして2018年、第七版が登場するというわけである。
第七版は新たに1万の語彙を追加し、総項目は付録のものを含めて25万。この1万の選定語のために、収録候補として検討した語は10万にのぼるという。日本語として既に定着した語、または定着すると考えられる語が中心となっている。
具体例をいくつか挙げると、「フリック」「クラウド」「ブラック企業」「クールビズ」などといった具合だ。IT用語、ネット用語が重視されているのが特色である。とはいえ、「アラサー」「ググる」「つんでれ」「ディスる」などは収録を見送られたそうである。
岩波書店によれば、『広辞苑』の役割はけして「先頭を切って新語を載せること」にはなく、「日本語として定着している語彙を見極める」ことこそが掲載基準となっているのだ。
予約受付開始は11月3日を予定する。価格については、「提供記念特別価格」が2018年6月30日まで設定されており、普通版の本体が8,500円(税別、以下同)、机上版の本体が1万3,000円。提供期限以降はそれぞれ、9,000円、1万4,000円となる。(記事:藤沢文太・記事一覧を見る)