【編集長の視点】アイビーシーは小反落も新製品の本格寄与で業績期待を高めて下げ過ぎ訂正余地
2017年10月19日 09:34
アイビーシー<3920>(東1)は、前日18日に9円安の944円と5営業日ぶりに小反落して引けた。同社株は、今年9月月初以来、25日移動平均線を挟んで三角保ち合いを続けており、目先の利益を確定する売り物に押された。ただ下値には、下げ過ぎ訂正買いが交錯して下げ渋っており、今年7月3日に発売したシステム情報・監視ソフトウェアの新製品「System Answer G3」などの本格寄与による2018年9月期業績への期待が買い材料視されている。また、金融と情報技術を融合させた仮想通貨などのフィンテックのキー技術のブロックチェーン(分散台帳技術)分野で業務・資本提携が相次いでいることも、テーマ株人気の再燃につながると観測されている。
■「System Answer G3」発売などで先行投資フェーズから成長フェーズ入り
同社は、2002年の創業以来、ネットワークインフラの可視化によりシステム性能を監視するサービスを展開するパイオニア企業として、分析・解析のコンサルティング・サービスも提供、1200社以上への導入実績を誇っている。その性能監視ツール「System Answer シリーズ」では、2011年7月に発売した性能監視ツールの「G2」に続き、今年7月3日に「G3」を発売し、常にシステムを監視し傾向を把握したうえで予兆を検知し事前の対策を行う情報監視ツールに多角化・高度化させた。また、これに続いて8月4日には24時間365日の有人監視体制でシステムの安定稼働・障害対応・改善提案する監視サービスの次世代MSPサービス「Speedy Action Management Services(SAM)」の提供を開始しており、同社の業績ステージが、先行投資フェーズから成長フェーズに移行していることを示唆した。
目下集計中で今年11月14日に発表予定の2017年9月期業績は、売り上げが6期連続の増収となるものの、利益は将来の事業拡大のための新製品開発費用、積極的な人材投資、本社オフィスの増床負担、さらに昨年11月の東証第1部への市場変更費用などが重なり減益転換、売り上げ13億500万円(前期比14.4%増)、営業利益2億3600万円(同19.1%減)、経常利益2億1000万円(同37.0%減)、純利益1億2600万円(同35.0%減)と見込んでいる。続く今2018年9月期業績の動向については、11月14日の決算発表を待たなければならないが、相次いだ新製品発売や新サービス提供の寄与で増益転換が有力となる。同社は、今年4月27日に2017年9月期第2四半期(2016年10月~2017年3月期、2Q)累計業績の上方修正を発表しサプライズとなっており、同様の展開も予想範囲内となる。
さらにブロックチェーン分野では新子会社iBeed(東京都中央区)の設立、パクテラ・コンサルティング・ジャパン(東京都江東区)との業務提携、コンセンサス・ベイス(東京都品川区)との業務・資本提携などを行い、プラットフォームやアプリケーションの開発を進めており、業績押し上げ要因となる。
■25日線出没の三角保ち合いから上放れ気配を強め年初来高値にキャッチアップ
株価は、今年4月の2017年9月期2Q累計業績の上方修正でストップ高して年初来高値1230円まで45%高し、同第3四半期(2016年10月~2017年6月期)の伸び悩み業績が響いてほぼ往って来いの880円まで調整、足元では25日移動平均線を出没する三角保ち合いを続け、値動きが小幅化し煮詰まり感を強めている。業績期待にテーマ株人気の再燃も加わって下げ過ぎ訂正に動き、三角保ち合い上放れから年初来高値へキャッチアップしよう。(本紙編集長・浅妻昭治)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)