【編集長の視点】グローバルGは続落も業績上方修正見直しに東証1部変更の好需給期待や政策関連人気もオンして再騰目前

2017年10月18日 09:27

 グローバルグループ<グローバルG、6189>(東1)は、前日17日に92円安の2306円と続落して引けた。同社株は、10月22日に投開票される衆議院選挙で、増税する消費税の使い道、幼児教育無償化が与野党の争点となっていることから、政策メリットを受けるとして今年10月12日に直近安値から年初来高値2483円まで3割超の急伸を演じており、高値で目先の利益を確定する売り物が出た。ただ同社株は、この政策メリットだけでなく、足元の業績も、目下集計中の2017年9月期業績の上方修正を今年8月に発表するとともに、9月29日には東証マザーズ市場から東証第1部に市場変更され、好業績・好需給評価が依然として強く、下値には、再騰目前として逆張りの押し目買いも根強く続いている。

■認可保育所を17施設新規開設し営業外収益に14億円超の補助金収入を計上

 同社の2017年9月期業績は、期初予想より売り上げを6億3500万円、営業利益を500万円、経常利益を4億7800万円、純利益を1億8300万円それぞれ引き上げ、売り上げは132億2400万円(前期比29.7%増)、営業利益は4億2000万円(同23.5%増)と続伸幅を拡大し、経常利益は15億3200万円(同23.8%減)、純利益は8億3100万円(同38.0%減)と前期の過去最高からの減益転換率を縮小させた。2017年9月期第3四半期(2016年10月~2017年9月期、3Q)累計期間に認可保育所17施設を新規に開設したことから、営業外収益に補助金収入14億5300万円、開設準備費用4億5300万円をそれぞれ計上し、子育て支援施設の内装設備などの固定資産に2億2800万円の減損損失を実施したことをカバーして上方修正につながった。なお経常利益、純利益は、前2016年9月期に大幅な補助金収入を計上した反動で減益転換する。

 一方、安倍晋三首相は、2019年10月に10%に増税する消費税の使い道について、財政黒字化を先送りし幼児教育無償化などの子育て支援に2兆円の投資拡充を行うことを選挙公約に解散・総選挙に踏み切っており、10月22日の選挙結果次第だが、安倍政権の続投が決まるようなら、同社の事業環境は一段と好転することになる。同社は、今年11月13日に2017年9月期決算の発表を予定しているが、続く2018年9月期業績への期待を高めることになる。

■TOPIX連動型ファンドの買い需要が発生し総選挙後は子育て支援策の現実買い

 株価は、昨年3月に公開価格2000円で新規株式公開され、3200円で初値をつけ上場来高値3655円まで買い進まれ、今年4月の上場来安値1480円まで大きく調整した。同安値からは、認可保育所の新規開設や2017年9月期業績の上方修正などが続いて1862円高値まで25%高し、1600円台を試す再調整安値からは東証第1部への市場変更承認、安倍内閣の解散・総選挙に反応して年初来高値2483円まで上昇し、スピード調整局面となった。東証1部への市場変更では、今後の東証株価指数(TOPIX)への組み入れでTOPIX連動型ファンドの買い需要が発生する需給好転が見込まれとともに、子育て支援策は、与野党いずれも総選挙の「一丁目一番地」の最優先の選挙公約に掲げているだけに、総選挙後に政策関連人気の現実買いが高まり、年初来高値抜けから上場来高値へのキャッチアップに弾みがつこう。(本紙編集長・浅妻昭治)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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