トヨタ、次世代コンセプトカーを公開 人とクルマとの新たな関係を予感
2017年10月18日 06:15
トヨタは16日、第45回東京モーターショー2017(10月25日~11月5日)で公開する「TOYOTA Concept-愛i」シリーズの概要を発表した。公開する車種は写真の左から、小型モビリティ、歩行領域での一人乗りモビリティ、4輪モデルである。コンセプトカーのメッセージからは、人工知能(AI)と自動運転の融合により、ドライバーの感情や嗜好を理解した上での安心安全の追及。そして、新たな自動車での移動の喜びを提案していく姿勢が刻まれている。
【今年1月に発表】トヨタ、AI搭載のコンセプトカー「TOYOTA Concept-愛i」発表
●コンセプトカーのメッセージ
トヨタが次世代の自動車業界でもトップを走り続ける上での重要なコンセプトであるのみでなく、同業他社や車載関連業界にとっても、最も気になるコンセプトの一つであろう。
今回のコンセプトでは、人工知能(AI)と自動運転を前面に押し出し、ドライバーとクルマでの楽しみの共有というコンセプトのようだ。具体的には、AIを応用してドライバーの感情認識や嗜好推定するといった「人を理解する」能力をクルマに装備する。この「人を理解する」能力と自動運転技術を組み合わせ、ドライバーを「安全・安心」に導く。加えて、エージェント技術と組み合わせることで、ドライバーの気持ちを先回りした提案をし、ドライバーに「新しいFun to Drive」をもたらすという。
公開する機種は、大型の4輪モデルだけではない。それは、全ての人に移動の自由と喜びを与えるコンセプトの基に、高齢者や車椅子でも自由に移動できるユニバーサルな小型モビリティと、歩行者と同じ空間を自由に動くことができる歩行領域モビリティを新たに追加した。
●「TOYOTA Concept-愛i」の特長
大きく3つの技術で、コンセプトを実現する。先ず、「人を理解する」技術であるが、ドライバーの表情・動作・声色から複合的に感情や覚醒度などを推定する。加えて、ドライバーのSNS発信などの行動と一般のニュース情報を比較し、ドライバーの嗜好を推定する。これらは、先端のAI技術を結集して対応する。
次に、「人を理解する」技術と自動運転技術を融合させて、ドライバーを「安心・安全」へと導く。これは、ドライバーとクルマの信頼度をモニターすることがキーとなるようだ。例えば、クルマの信頼度が高く、クルマのサポートが必要と判断されると、自動運転モードに切り替わるという。「ある時は見守り、ある時は助け合う」というトヨタの自動運転の考え方だ。さらに、ドライバーの疲労度、覚醒状態に応じた、適切なサポート機能を有する。
最後に、「人を理解する」技術(Learn)とエージェント技術を融合させて、ドライバーとクルマとの双方向の会話といった新たな関係で、未知なる体験をもたらすという。例えば、ドライバーの嗜好や気分に応じてクルマ側から、少し遠回りしてでも楽しめるルートを提案するといったことが可能になるという。
●機種固有の特長
小型モビリティでは、車椅子ユーザーの使い勝手にこだわったユニバーサルな仕様を追及したという。例えば、大開口を確保できるガルウィングと乗降口にスライドする電動シートを採用。ユーザーが不安に感じる車椅子からの乗降を容易にしている。
歩行領域モビリティでは、センサを駆使した歩行空間に馴染むパッケージで、安全走行が可能という。年齢や性別、服装の制約を受けず乗降・走行できるモビリティであるようだ。(記事:小池豊・記事一覧を見る)