AIへの代替、自分の仕事で可能な範囲は「3割」程度 オフィスワーカーの認識
2017年10月16日 07:40
「NTTコム リサーチ」は首都圏および都市部で働くオフィスワーカー約1,000名を対象に、AI(ロボット)による業務自動化に対する意識調査を行った。
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今、AI(ロボット)に関する議論が盛んだ。AI(ロボット)に仕事を奪われてしまう、という「AI脅威論」も多く存在する一方で、AI(ロボット)を有効に活用すれば我々の生活価値・労働効率性が高まる、という希望論も存在している。現時点での、日本のオフィスワーカーの意識はどのようなものだろうか。来る”AI時代”。自らの職を奪われてしまうことに戦々恐々としているのだろうか。それとも新しいテクノロジーの活用余地に期待を持って、待ち望んでいるのだろうか。
同社は、都市部で働く約1,000名に対して、AI(ロボット)による業務自動化に対する意識調査を行った。これは、彼らの意識を可視化し、もはや”止められない潮流”と考えられるAI(ロボット)による環境変化に適応し、新たなルールの中で活躍できる人物像を明らかにするためのものだ。
まず、今回の調査では、「10年後、今の自分の仕事を代替している存在がいるとしたら、それは何だと思いますか。」という設問を投げかけた。その結果は、AI(ロボット)などの「自動化テクノロジー」と答えた人は全体の46%であった。一方で外国人、後進の若者、競合他社などの「自分以外の人間」と答えた人は、全体の73.6%。自分の仕事を代替する存在は、「テクノロジー」よりもむしろ「自分以外の人間」と考える傾向にあることがわかる。
また「あなたの現在の仕事の何%が将来的にシステム、AI(ロボット)等のテクノロジーに代替されると思いますか。」という質問に対する回答は平均で32%であった。自分の仕事がまるごとテクノロジーに奪われてしまうと考える人はごくわずかで、「91%~100%の仕事がテクノロジーに代替される」と答えた人は全体のわずか1.9%しかいなかった。「0%」、つまり自分の仕事が自動化される余地はまったくないと答えた人は、5.4%も存在した。
これだけ、AI(ロボット)による業務代替が話題になるなか、調査対象者の実感としては、「自分の仕事は、今後も人間が行う」という認識が強く、AIやロボットによる業務代替についての現実感は少ない。テクノロジーによる業務代替の可能性は認めるものの、自動化される領域は3割程度で、7割程度の仕事は自分の手元に残ると考えているようだ。(編集担当:久保田雄城)