Wake Up,Girls! 新章 第1話「私たち、Wake Up, Girls!でーす!」【感想コラム】
2017年10月15日 14:04
記事提供元:アニメコラムサイト|あにぶ
2016年末のイベントにてPVが公開されてから10ヶ月…。
ようやくの放送となったTVアニメ『Wake Up,Girls! 新章』。これまで劇場版3本、TVアニメ、スピンオフ作品と何度もアニメ化されてきた同作の最新シリーズです。
新キャラも増え、新曲も増え、WUGの7人物語はどうなっていくのか。というか、劇場版でわりかし綺麗に終わったのにこれ以上なにやんだ。
2017年秋アニメはやたらとアイドル作品が多いまさに戦国時代、群雄割拠、跳梁跋扈、戦々恐々、魑魅魍魎。
どのようなアイドルストーリーが展開されるか見ていきましょう!!
Contents
1 Wake Up,Girls! 新章 第1話「私たち、Wake Up, Girls!でーす!」2 あれから2年3 感じた”プロ”との差4 リアルのWUGもチェック5 全てを一新。新しいWUGのスタート!?
■Wake Up,Girls! 新章 第1話「私たち、Wake Up, Girls!でーす!」
「アイドルの祭典」で一度は国民的アイドルグループ「I-1Club」を下して優勝した「Wake Up,Girls!」だが、未だ地道な活動を余儀なくされていた。
丹下はWUGのさらなる飛躍を目指し、松田に全国メディアへのプロモーションを命じる。
■あれから2年
『誰かを幸せにするということ。それには三つのタイプがあると思う。』
元トップアイドル、現WUGのセンター・まゆしぃの一期から続く心情と、代表曲「タチアガレ」から始まったWUG新章!
アイドルの祭典を制してから2年、ローカルアイドル「Wake Up,Girls!」は一躍トップアイドルに!!!……というわけではなく、現実はそんなに甘くなく翌年にはあっさりとI-1に優勝をとられてしまう。
それでも地元・仙台ではローカルながら冠番組をもち必死にアイドル活動を続けているWUGですが、そんなアイドル業界に流れる不況の波…。半年後にファーストアルバム発売を控えたWUGも、その波に否応なく巻き込まれてしまいます。
今こそ、全国にWUGというアイドルの知名度を広めるタイミングという時に舞い込んだ、全国ネットの音楽番組!!衣装を新調し、気持ちも新たにいざ東京へ!!
せっかくの東京での全国ネットの音楽番組の収録だというのに、朝は遅刻し行きの新幹線では自撮りではしゃぐ…緊張感がないというか、2年たっても「おいもちゃん」感が抜け切れていないWUGちゃんたち。まあそこが彼女たちの魅力でもありましょうか。
■感じた”プロ”との差
肝心の音楽番組はというと、全国ネットでさらにライバルでもあるI-1もいるなかなかの大舞台でしたが、トークもわりとしっかりとこなしてライブも「7GW」をミスすることなく歌い切り、かつてのWUGならば考えられないくらいのステージパフォーマンスをみせましたが……。
生放送だというのに、登場に遅れるという失態。それ意外は完璧にこなしたのですが、I-1の新たなセンター・鈴木萌歌からは厳しい言葉を浴びせられます。
2年前の大会以来、妙な溝が生まれた両者。特に萌歌はWUGをライバル視をしているからこそ厳しい言葉を浴びせるわけなのですが、そうしたところでWUGはまだまだ”プロ”との差を感じるのでした。
かつてのローカルアイドルとしてのライバルだった「男鹿ナマハゲーズ」の解散、赤みそオールスターズも危機と暗いニュースが広がる中で、WUGにはさらなる朗報、全国ツアーの話が舞い込んできます!さあWUGの明日はどっちだ!!
■リアルのWUGもチェック
WUGは中の人とのハイパーリンクも一つのテーマとなっていますが、時間がたったのは作中だけでなくリアルでも時間がたっているわけで、そのあたりの”1期の頃とは違うWUGちゃん”が反映されているのも面白いポイントですね。
WUGちゃんたちの中で、林田藍里ちゃんがみんなのお母さん的なポジションになっているのもそのあたりの影響があるような気がしますね。そういうリアルのWUGちゃんたちの小ネタ的なのは劇場版から取り入れられていましたが、新章でもそうした小ネタが随所にありました。
次回予告が実写パートだったり、OPEDが1期の曲や映像を意識したつくりになっていたりと、新章から始めてみる人にもこれまでのファンの人にもどっちにも楽しめるアニメになっているなあという印象がありました。
知らない人は、是非ともリアルのほうのWUGもチェックするとよりアニメを楽しめるかも!?
■全てを一新。新しいWUGのスタート!?
さて、さてさて、なにから語るべきか。
今回のアニメ、スタッフが変わり、制作が変わり、もはや別物の新しいWUGなんだ!という声は発表直後や先行上映の直後くらいから上がっていました。だから敢えて”新章”というタイトルをつけて差別化を図っているのでしょうか。
ただ、ストーリー上の繋がりがあること、公式でWUG3とナンバリングを付けていることから、あくまでこれまでのWUGが土台にあり、そのうえにこの新章がある。”続編”であるという前提からこの作品を語りたいと思います。
自分はこれまで何本かWUGについて書かせて頂いてきました。
それまでに綴ってきたもののなかで、WUGの物語とは泥臭さであると語ってきました。
ほぼ素人が寄せ集まった弱小事務所のローカルアイドルが故の苦悩やぶつかり合いこそが魅力であると。
初ライブで衣装がなく、当然ファンもいない、来る仕事は地元の健康ランドの営業、お金も仕事もない、レッスン場もない。メンバーはいつもぶつかり合い、その度に絆が生まれて、成長し、それを繰り返す、そこに物語が生まれる。
仙台のローカルから這い上がるWUGという素人アイドルの物語をそうやって描いてきたのです。
しかし、今作のWUGは既に東京という大舞台でライバルである『I-1』、同じように博多ローカルから這い上がってきた『ネクストストーム』、全てを退けて優勝したあとの物語。
単純に言えば1度ローカルから這い上がった”あと”の物語を描いています。まあ続編なので当然ですが。
全国的にはまだまだ無名(社長曰く、ミジンコ)だけれども、地元・仙台では冠番組をもち安定した地位を確立し、全国規模での仕事も普通にもらえて、彼女たちに憧れて「踊ってみた動画」をあげちゃうファンさえいるレベルのアイドルになりました。普通に順風満帆じゃね!?
そういう意味で言えば例え続編でも、この新章はたしかに今までと同じようなWUGではなく、”別物”であり”新しい”ストーリーのWUGなんです。
逆に言えばこれは「Wake Up,Girls」という”ただのアイドル”による”ただのアイドルアニメ”となったとも言えるのではないのか。
これを『なってしまった…』とネガティブに捉えるか、『これもWUGだ!』とボジティブに捉えるかで人によっては印象がガラリと変わってくる作品ではないかと思います。
…と、言っても根幹にあるWUGの本質は新章になっても健在です。
新章のテーマは”アイドル不況”。まあ下を見ればアイドル、上を見ればアイドル、アイドル飽和時代の弊害とも言えますね。
人気アイドルだったI-1もその余波を受けており、全国的な知名度もないWUGも例外なく窮地に立たされていました。さあそこから這い上がれ!ってのが今回のストーリー。
自分はこのシリーズが好きなので、ここまでかなーり長々と語ってしまいましたが、各話感想のコラムなので、1話の感想を言うならば、変わった部分はたしかにある!でもこれは新たなスタートを切ったWUG!というワクワク感を感じる1話でした。
そんな、新章で特に大きく変わったのはライブシーン。
これまでの手描きのダンスシーンから3DCGで、直接本人たちのダンスをモーションキャプチャでモデリングしてリアルさにこだわって描かれている素晴らしいダンスシーンなのですが、どちらかと言わせてもらうと前者のほうが自分は好きでした…。最近のアニメではわりとオーソドックスな3DCGのダンスシーンなのですが、あえてその中でWUGは手書きのダンスシーン!というので好きだったので、ちょっとうーん。きっと何度も見ていくうちに慣れていくのか…。
あと今後は1話に1回はライブシーンを入れてくるのでしょうか。
そして今回の新章では、WUGの物語であると同時に、WUGのファンでもある今はただの中学生の女の子、速志歩、守島音芽、阿津木いつかの3人の物語でもあると思います。
この3人がどう成長してWUGちゃんたちとどう絡んでくるのか、そうしたところも2話以降の注目ポイントになるのではないでしょうか!!
アニメ『Wake Up, Girls!』に見る現代アイドルアニメの新境地(後編) アニメ『Wake Up,Girls!』に見る現代アイドルアニメの新境地【前編】
2014.09.02
2014.08.22
(あにぶ編集部/Uemt)
©Green Leaves / Wake Up,Girls!3製作委員会