若手正社員が労働時間短縮を望まない理由、「報酬を維持したい」が最多
2017年10月13日 08:07
リクルートマネジメントソリューションズは、20~30代の若手世代の正社員を対象とした「長時間労働に関する実態と意識調査」を実施した。
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世界的に見て長い傾向のあった日本の労働時間は、1980年代後半をピークに減少してきた。しかし、これは非正規社員などの短時間労働者の増加によるところが大きく、フルタイム社員の労働時間は、あいかわらず長いままだと言われている。そこで対象を週5日以上勤務の20~30代の正社員に限定し、労働時間についての実態と意識を調査した。
労働時間の実態を確認したところ、平均月間労働時間は、男性の最頻値が180時間以上200時間未満(24.2%)、女性は160時間以上180時間未満(40.2%)で、週5日勤務の正社員、一般職と限定したなかでも、女性より男性の方が長時間労働の傾向が見られた。200時間以上の割合は、女性が2割弱(18.5%)に対して、男性は4割強である(42.4%)。また、過労死ラインを越えるレベル(240時間以上:月の労働日を20日とした場合、1日12時間労 働・4時間の時間外労働)も、男性では1割を超えて(12.9%)出現した。職種群別(営業、サービス、スタッフ、技術)では、200時間以上を合計した割合が最も多いのは、営業(全群平均30.5%に対して38.7%)、次いでサービス(31.1%)だった。
労働時間が200時間以上では実に7割超(71.4%)、160~200時間でも4割超(42.2%)が「もっと短い方が望ましい」と回答した。望ましいと思う労働時間の最頻値は160時間以上180時間未満だった。労働時間の希望として「もっと短い方が望ましい」と回答したグループとは別に「今と同じでよい」というグループについても、そう思う理由を尋ねているが、それによると労働時間の200時間以上で最も多かったのは、「今の給与水準を維持したいから(62.5%)」で、160~200時間のグループ(54.4%)よりも高かった。報酬への欲求が、長時間労働を容認する個人側の最も大きな要因の1つだといえるだろう。(編集担当:久保田雄城)