「アルフォンス・ミュシャ展」茨城・しもだて美術館で開催
2017年10月12日 15:44
「アール・ヌーヴォーの華 アルフォンス・ミュシャ展」が茨城県筑西市のしもだて美術館にて開催される。会期は2017年9月30日(土)から11月26日(日)まで。
アルフォンス・ミュシャといえば、六本木の国立新美術館で2017年6月まで開催されていた展覧会にて、絵画の大作《スラヴ叙事詩》全20作品が一堂に会したのが記憶に新しい。六本木での展示によって画家としてのミュシャの業績に大きく注目が集まったが、今回しもだて美術館は、ミュシャが脚光を浴びるきっかけとなったデザイナーとしての活躍にフォーカス。ポスター作品や装飾パネル約50点、装飾図案約70点、ポストカード約200点、挿絵約80点などのデザインを中心とした400余点を展示し、デザイナーとしてのミュシャの原点に迫る。
チェコ共和国で生まれたミュシャは、パリの人気女優サラ・ベルナールから依頼された舞台《ジスモンダ》のポスターで一躍注目を浴びる。今回の展覧会においても見ることのできる《ジスモンダ》は、舞台の物語のクライマックスシーンを描いている。王妃ジスモンダが信仰にめざめ、「シュロの日曜日」を賛美して行列に加わるという場面を装飾的かつエキゾチックに描いたポスターとなっている。《ジスモンダ》はミュシャの原点ともいえる作品であり、必見の一枚だ。
19世紀末に開花したアール・ヌーヴォーを象徴する画家であるミュシャ独自のスタイルは、「ミュシャ様式」と呼ばれ人気を博した。女性の髪や衣服が描く流れるような曲線や、しなやかな草花をテーマにした優美なデザインが特徴的だ。今回の展示作品の一つでもある、連作《四つの花》における《バラ》、《百合》では、優雅に咲く草花が描く曲線と女性の描く柔らかな曲線が調和しながらも互いの存在を引き立てることにより、奥ゆかしい美しさが表現されている。
ミュシャは、芝居のポスターの他にも豪華本の挿絵や香水のパッケージ、切手や紙幣、有価証券、蔵書票、メニュー、さらにはアクセサリーのデザインも手掛けるなど、商業デザイナーとして幅広く活動していた。展示作品の、《黄道十二宮 ラ・プリュム誌のカレンダー》は、雑誌『ラ・プリュム』の宣伝用として作られたもので、《モナコ・モンテカルロ》は観光PRのポスターだ。デザインの目的は違えど両者ともミュシャの特色であるデコラティブで異国情緒漂うしなやかな表現が感じられる。
今回は、《ジスモンダ》を始め、パリ時代のポスターや花シリーズ、四季シリーズなどの装飾パネル、挿絵作品、商品パッケージ、ポストカード、また食器や室内装飾など多岐にわたるデザインを集めた図案集など、ミュシャのデザインした作品を幅広く展示する予定だ。その中には祖国チェコを中心としたスラブ民族の歴史や伝統を表現した作品も含まれ、ミュシャのルーツである故郷への表現を見ることができる。
【詳細】
しもだて美術館 秋の企画展
「アール・ヌーヴォーの華 アルフォンス・ミュシャ展」
会期:2017年9月30日(土)~11月26日(日)
休館日:月曜日、但し10月9日(月・祝)は開館し翌日休館
開館時間:10:00~18:00(入館は17:30まで)
会場:しもだて美術館
住所:茨城県筑西市丙372アルテリオ3階
入館料:一般 800円/団体(10人以上) 700円/高校生以下無料
※本展入館券にて秋冬季所蔵品展・板谷波山記念館も観覧できる。
※障がい者とその付き添い1名は無料。(入場の際に障がい者手帳などを提示)
※第3日曜日「家庭の日」(10月15日、11月19日)は高校生以下の子供を含む家族は無料。
【問い合わせ先】
しもだて美術館
TEL:0296-23-1601 / FAX:0296-23-1604
■関連イベント:
・ギャラリーコンサート 「パリで燃えたスラブの心!~ミュシャに捧げる下館一高管弦楽の響き~」
日時:2017年10月22日(日) 13:30~
会場:美術館ロビー
費用:無料(入館券が必要)
・「レジンでつくる アール・ヌーヴォーなアクセサリー」
日時:2017年11月12日(日) 10:30~/11:30~/13:30~/14:30~
会場:アルテリオ2階クラフト室
対象:小学4年生以上
人数:各10人。要予約。※1人1回のみ。
参加費:1人800円(材料費として)
申込方法:電話申し込み(TEL:0296-23-1601)
応募受付期間:2017年9月30日(土)~10月29日(日)10:00~18:00 ※休館日を除く
・「あなたもミュシャポスターの主役に!」
場所:美術館ロビー なりきりフォトコーナー