神戸鋼、ソニー、東芝など/本日の注目個別銘柄
2017年10月11日 16:25
<6758> ソニー 4100 -24続落。モルガン・スタンレーMUFG証券では投資判断を「オーバーウェイト」から「イコールウェイト」に格下げしている。目標株価も4700円から4400円に引き下げ。19年3月期営業利益は減益リスクがあり、少なくともガイダンスベースでの減益公算が市場で高まりつつあるとの見方。一方で、テスラ向け二次電池への期待感を反映して、パナソニック<6752>の投資判断を格上げしているようだ。
<6208> 石川製 3650 -530大幅反落。地政学リスクの高まりを映して足元の株価は一段高、昨日終値まで4営業日の上昇率は40%に達していた。短期的な過熱警戒感が強まる中、前日に北朝鮮の労働党創建記念日を波乱なく通過したことで、目先の利食い売りが優勢となる展開に。ただ、北朝鮮の挑発行為が一巡したとみる向きは少なく、目先的には中国共産党大会終了後への懸念なども強い状況だ。
<4042> 東ソー 2435 -107大幅反落。上半期営業利益が前年同期比3割増の550億円前後となり、期初予想の440億円を上回ったもようとの観測報道が伝わっている。上半期としては過去最高益を更新したようだ。米ハリケーンなどの影響でウレタン原料の国際需給が逼迫、採算が向上したとされている。ただ、第1四半期が2割超の増益で上振れ期待はあったほか、市況上昇も想定内で、観測数値並みの上振れ期待は織り込まれていたようだ。
<6323> ローツェ 2729 +420大幅続伸。前日に第2四半期の決算を発表、累計営業利益は33.3億円で前年同期比55.2%増益、従来予想の29億円を上回る着地となった。つれて、通期予想は従来の42.2億円から47.1億円に上方修正。主力製品であるウエハ搬送機の受注増加が業績上振れの背景に。第1四半期が同35.4%減益であったことから、6-8月期の急回復による上方修正にはサプライズが大きくなっている。
<7730> マニー 3030 +308大幅続伸。前日に8月期の決算を発表、営業利益は42.6億円で前期比0.4%増と増益を確保した。一方、今期は49.5億円で同16.2%増益の見通し。今期配当金は38円(前期34円)の計画となっている。3-5月期に収益が急失速し、株価にネガティブインパクトが強まった経緯があることで、6-8月期の持ち直しに安心感が生じる形となっている。今期見通しも一部季刊誌予想などを上回る水準。
<5406> 神戸鋼 878 -190前日のストップ安に続いて大幅続落。引き続き、アルミ・銅製品のデータ改ざん問題の影響が懸念される形に。対象製品の売上構成比は5%程度とみられるほか、需給がタイトで代替供給元が少ないことから、短期的な業績面への影響は限定的ともみられている。ただ、顧客からのリコールや損害賠償金の発生などは不透明要因、なおかつ、顧客や投資家からの信頼失墜による、中長期的影響も強く懸念されているようだ。
<4613> 関ペイント 2653 -136大幅反落。ジェフリーズ証券が投資判断を「ホールド」から「アンダーパフォーム」、目標株価も2400円から2200円に引き下げ。同証券は、原材料価格の高騰が想定以上として、業績予想を下方修正。インドを含む新興国売り上げの拡大により長期的な見方は楽観的としているが、短期的には割高な株価水準などを考慮。製造業比較で塗料会社のバリュエーションは高いが、なかでも同社は割高とみているもよう。
<5301> 東海カーボ 1175 +97大幅反発。ジェフリーズ証券では投資判断「バイ」継続で、目標株価を970円から1550円にまで引き上げている。18年度の黒鉛電極価格は想定を上回るとみられること、需給逼迫状態は5年以上継続するとみられること、EVサイクルの恩恵享受が予想されることなどを評価引き上げの背景としている。割安な価格で取得したSGL GEカーボンの買収効果による生産能力の増加、広範囲な地域カバレッジ獲得なども好材料視。
<8136> サンリオ 1911 -206大幅反落で年初来安値更新。前日に発表した業績予想の下方修正が嫌気材料となっている。上半期営業利益は41億円から24億円に下方修正で一転減益、通期では108億円から63億円に減額している。欧米の底打ち時期のずれ込み、国内での個人消費低迷継続などが下振れの背景。年間配当金も従来計画の80円から55円に引き下げている。第1四半期の状況から懸念はあったが、下振れ幅は想定以上との見方が優勢に。
<6502> 東芝 318 +1プラス転換。東証が同社株について、内部管理体制に問題のある「特設注意市場銘柄」の指定を解除する方針を固めたと一部メディアが報じている。17年3月に提出した再発防止策や聞き取り調査などを基に審査し、内部管理体制は改善したと判断したもよう。なお、足元ではSMBC日興証券が、投資判断「2(中立)」継続ながら、目標株価を260円から330円に引き上げている。
<8233> 高島屋 1028 -46大幅反落。第2四半期の累計営業利益は139億円で前年同期比0.8%増となり、従来計画の133億円を上振れた。国内百貨店の売上好調による粗利増加が上振れの主因。6-8月期は58億円で同5%減益であった。通期予想は350億円から360億円に上方修正。市場予想をやや上回る水準への上方修正ではあるが、11月以降はインバウンド需要など前年のハードルが高まるため、モメンタムの低下懸念は拭えないようだ。《DM》