17年度のIT予算、3割以上の企業が増額

2017年10月11日 11:25

 ITコンサルティング・調査会社アイ・ティ・アール(以下:ITR)は「IT投資動向調査2018年度版」の結果を一部公表した。これは2017年度分の企業のIT投資の動向をサンプリング調査したものである。

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 調査によれば34%の企業が17年度のIT予算を増額すると回答した。これは前年調査16年度分を上回り企業がIT予算を増額する傾向にあることを示した。一方、減額と回答した企業の割合は7%ととなり前年の9%から減少し、01年の調査開始以来、最も低い水準になった。来年度の計画、18年度のIT予算額の見通しは33%とほぼ横ばいである。一方、減少と答えた企業は9%で17年度より1%減少であり、この調査からは来年度18年度も引き続き高い水準でIT予算が組まれる可能性を示している。

 今回の調査では今時のIT投資の推進役となる組織についてアンケートをとった。その結果、既存のIT部門および既存のIT子会社が推進役を担うべきであるという回答が最も多かった。このIT投資の内容は、クラウドサービスの導入・拡大、AI(人工知能)技術の導入活用、IoTの導入・活用、RPA(事務のAI化)による業務の自動化、サイバーセキュリティ被害への対応、デジタルビジネスの創出、従業員の働き改革の7つである。

 製品/サービスの投資意欲を導入済み企業と未導入済み企業に分けて調査したところ、両者ともにOSや基盤系ソフトウエア、管理ツールなどのOS/ミドルウエア分野で「AI/機械学習」と「運用自動化」が特に高い意欲を示し、両者ともに上位に位置づけられていた。このほかにも「ディープラーニング」や「ブロックチェーン」などマーケティング戦略システムについて極めて高い導入意欲を持っていることが示された。

 ハード分野ではサーバ・ディバイスなどのインフラ/ディバイス分野では「IoT/M2M」が、業務支援アプリケーションとしては「BI/データ分析」において積極的な投資意欲が存在することが示され、ハード/インフラ分野でもマーケティング戦略の強化を意識したIT投資に強い意欲を持っていることが示された。

 セキュリティー分野では「DLP(Data Loss Prevention)」や「デジタル・フォレンジック」の新規導入意欲が示された。また「CASB(Cloud Access Security Broker)」「SOC/マネージド・セキュリティ・サービス」など新テクノロジーへの適用へのIT意欲が旺盛であることが示された。

 これまで日本のIT投資は業務効率型などの守りの投資が主流だったが、今回の調査で戦略型の攻めのIT投資に投資意欲がシフトしていることが鮮明となった。この調査の確報版にあたる「国内IT投資動向調査報告書2018」は11月中頃を予定している。(編集担当:久保田雄城)

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