神戸製鋼によるアルミ材等の品質データ改ざんが発覚
2017年10月9日 07:18
神戸製鋼所は8日、同社が出荷したアルミ板などの金属材において、製品仕様検査データの改ざんが行われていた事実が確認されたと発表した。
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問題の出荷期間は、2016年9月1日から2017年8月31日まで。アルミ製品が約2万トン、銅製品が約2,200トン、アルミ鋳造品・鍛造品が約2万個に及ぶという。改ざんされたのは、強度や寸法に関する品質検査に関する証明書。
これを受け、納入先企業等では問題の検証を進め始めたばかりだが、現時点ではまだ安全性に関わる深刻なトラブルがあるのかどうかは不明である。また神戸製鋼は、この件が同社の経営状況に及ぼす影響もまだ不明である、としている。
問題の金属材であるが、どこに使われていたのか。供給先企業は三菱重工などの航空機メーカー、トヨタなどの自動車メーカーをはじめ、約200社に及ぶ。
現時点では断定はできないが、仮に性能や安全に関わる問題が発覚した場合、納入先の自動車メーカーなどがリコールを含めた対応を迫られる可能性があり、一部の企業の関係者は連休返上で調査に動き始めているという。
三菱重工は既に、現在開発中の国産ジェット旅客機MRJに、問題の部品が使われていることを認めている。トヨタでも複数の車種に部材が採用されていることが明らかになり、目下、何らかの問題が生じないか調査中である。また、JR東海の東海道新幹線にも部材が使われていた可能性があるとのことだ。
改ざんに関わっていたのは、神戸製鋼のグループ企業4社であり、管理職も含む少なくとも数十人が関与していた。組織ぐるみの不正であったことは疑いなく、同社の経営陣も既に記者会見の場においてそのことを認めている。
今後の展開次第でどこまで問題が拡大するかはまだ不透明な段階だが、関係者には真摯な反省と今後の誠実な対応が求められるところである。(記事:藤沢文太・記事一覧を見る)