良品計画、地道な商品開発と店舗運営で2020年度の営業収益5000億円目指す

2017年10月8日 16:59

 良品計画は、今期上半期(2018年2月期3-8月)の実績を4日発表し、好調な成果を受けて今期通期の見通しを上方修正した。

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 良品計画の「無印良品」は、1980年に西友のプライベートブランドとして40品目からスタートし、7,000品目まで成長してきた。製造から販売まで一貫して手掛ける製造小売業として、良品計画は衣料品から家庭用品、食料品など日常生活全般にわたる「無印良品」の商品群を開発・販売している。

 既存店売上高5期連続プラスの地道な努力により業績を伸ばしてきた良品計画の動きを見てみよう。

■前期(2017年2月期)と今期上半期(2018年2月期3-8月)の実績

 前期実績は売上高にあたる営業収益が3,333億円(前年比108%)で営業利益は383億円(同111%)であった。海外売上高比率35%の中、前年に比較して大幅な円高(1ドル121.1→108.8円、1ユーロ133.6→119.8円、1元19.2→16.4円)により、営業収益で176億円、営業利益で33億円の目減りがあったことを考慮すると好調な実績であった。

 既存店売上高の堅調(同102%)、免税対応店増による免税販売増加(同129%)と、ファミリーマートへの「無印良品」の展開開始(2016年10月)などによる増収効果と円高による国内での原価率改善効果により、国内事業の営業収益2,137億円(同109%)と営業利益220億円(同129%)が大きく貢献した。

 上期実績は営業収益が1,826億円(同113%)で営業利益は211億円(同107%)と上期実績としては、8期連続増収、7期連続増益により最高益更新を果たした。

 国内は生活雑貨が好調で積極的な店舗改装により既存店売上高が前年比108%と堅調であり、粗利の改善により営業利益率も前年よりも2.5%改善した結果、国内営業収益は1,174億円(同111%)で営業利益は150億円(同137%)であった。

 海外は出店数の純増が19店で合計422店となり売り上げは順調に伸びたが、前期は円安時に安く調達した商品の原価が今期は高くなった影響が出た結果、海外営業収益は656億円(同117%)で営業利益は58億円(同68%)であった。

■今期(2018年2月期)見通しの上方修正と2020年2月期の中期計画目標

 今期見通しは上期の好調な実績を受けて、営業収益は当初計画よりも39億円増加の3,768億円(同113%)へ、営業利益は3億円増加の426億円(同111%)へと上方修正した。

 2020年2月期の中期計画として営業収益5,000億円(対前期比150%)、営業利益600億円(同157%)を次の戦略により目指していく。

 1.商品開発力の向上: オーダー先工場、原材料調達先の集約を進め、商品の仕様・コンセプトの見直しにより「豊かな低価格」を実現

 2.グローバルサプライチェーンマネジメントを向上させ、店舗運営人員のグローバル育成

 3.店舗網の強化: 店舗数予定今期934店(内海外478)から、2020年に1,200店(同698)と海外で大きく伸ばし、国内店舗の大型化と海外旗艦店の開発を進める

 商品開発で店舗を充実、店舗マネジメントを強化して店舗の数を増やしていく地道な活動を続けている良品計画の動きを今後も見守りたい。(記事:市浩只義・記事一覧を見る

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