【休日に読む】一尾仁司の虎視眈々(3):◆希望の党ラリー◆

2017年10月8日 10:05


*10:05JST 【休日に読む】一尾仁司の虎視眈々(3):◆希望の党ラリー◆
〇「希望の党」による強弱ラリー〇

それぞれ事情は大きく異なるが、日本を代表する銘柄ながら、大幅に出遅れている3銘柄がある(日立は昨日年初来高値更新)。

10/3終値  PER  PBR  今年高値 アベノミクス相場
6501 日立    812.9   13.1  1.30   10/3   939.9(14年12月)
6502 東芝    310    5.7   −   6/13   548.5(14年12月)
7011 三菱重工  4469   15.0   0.84  1/5   換算8050(15年6月)

言わずもがな、原発3社だ。東芝は2部に転落しているので、論外かも知れないが、昔なら、大仕手戦に発展する素地がある。「希望の党」が公約に「原発ゼロ」を掲げているためだ。逆説的に言えば、総選挙で「希望の党」が何処まで躍進するのか、本当に「公約」推進の意図があるのか、一つのバロメーターになる。廃炉ビジネスだけでは、負の部分を抱え続けることになろう。

業績云々は調べていないが、社会インフラや防衛関連で重要な位置を占め、アベノミクス相場が継続する場合でも、修正相場の是非が問われる。米GEも相場を牽引していないので、こういった大企業は時代遅れになりつつあるのかも知れないが、日立で連結従業員30万人、東芝15万人、三菱重工8万人を抱える。地域経済への影響も無視できない。3社は大雑把に言えば、「構造改革」の過程にある。進捗度合いで株価に差が出ているとも見られるが、日本の縮図的側面が残っている。

米GS(ゴールドマン・サックス)が、2日付で「為替相場では、少なくとも金融政策を巡る「希望の党」の見解がもっとはっきりするまでは、ドル円相場は同党支持率と逆相関になる傾向になるだろう」とするリポートを出したと言う。「改革やリセットを掲げている点から、日銀の緩和姿勢持続に疑念が生じ、黒田総裁後継候補の範囲が広がる」と見ている。一時的な為替変動要因に、総選挙観測が加わる可能性がある。

為替相場では、「成績不振のヘッジファンド、ドル逆張り拡大の賭け」(ロイターコラム)と言う。FRBの利上げ観測が戻るなか、9月26日現在の主要6通貨に対するドル売りポジションが約45億ドル増え、210ドル規模に膨らんだ(13年1月以来)。ドル相場は9月初週に安値を付けた後、4週連続上昇中で、投機筋の逆行ぶりが目立つとしている。投機筋の中心は、金利や為替の方向性に賭けるマクロ系と呼ばれるヘッジファンドで、1−8月のリターンは1%以下とされる苦戦にある。

海外勢は今のところ静観と思われるが、後2週間余の選挙攻防に「希望の党」ラリーが加わるか、注視したい。

以上

出所:一尾仁司のデイリーストラテジーマガジン「虎視眈々」(17/10/04号)《CS》

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