来春上陸予定だったルノー・スポール「トゥインゴGT」、先行限定発売
2017年9月30日 22:38
日本国内における仏ルノー車の販売が好調だ。ルノー・ジャポンの発表によると、昨年2016年の年間販売実績台数(5304台)を、この9月20日にクリアして、2017年販売で限りなく7000台近い数字も見えてきた。
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そこで、ルノー・ジャポンは年間販売記録を押し上げる秘策として、来春日本導入を予定していた新モデルを東京モーターショー直前の10月19日に“限定車”として200台販売する。
発売する限定車はルノー・トゥインゴのスポーツバージョン「トゥインゴGT」だ。チューンしたのはルノー社のモータースポーツ活動を支える「ルノー・スポール」で、トゥインゴの特徴的なレイアウトである“リアエンジン+リアドライブ(RR)」方式を活かしたスポーティなGTモデルをつくるため、ルノー・スポールのエンジンデザイナーは、ルノー・トゥインゴのラインアップ中で、もっともパワフルな897ccターボエンジンの性能向上に取り組んだ。リアに搭載されるこのエンジンは、コンパクトなリアスペースに49度傾けて後輪の間に収められている。
トゥインゴGTにはノーマル車には無い特殊なアイテムが装着された。左リアフェンダーに取り付けられたサイドエアインテークだ。エアインテークの位置をリアフェンダー上部にしたことで、ターボチャージャーに入る空気の温度が12%低下し、吸気流量が23%向上した。これらのチューンで、ターボチャージャーの回転数をアップさせることができ、同時に多くの燃料が供給するために、燃料ポンプを専用設計とした。加えて、パワートレーンの冷却性を向上させるため、ウォーターポンプも専用設計された。
エキゾーストシステムも、排気流の見直しと排気圧の改善のために見直し、新たにクローム仕上げのデュアルエキゾーストパイプを装着した。エンジンマッピングも変更した結果、エンジンの最高出力はノーマル車の90psから2割以上アップした109ps/5750rpmとなり、最大トルクは170Nm/2000rpmへ向上した。
エンジンの性能向上に合わせ、シャシーにもルノー・スポールの手により特別なチューニングが施された。減衰力を高めた専用のダンパーに変更され、アンチロールバーは、直径が太くなっている。ESCの制御にも変更が加えられ、ドライバーが、きついコーナーでアクセルを開けると、ESCが作動して軌道を修正する前に、大きくスピードを損なうことなく、わずかにドリフトするチューンとした。つまり、トゥインゴGTのドライバーは典型的なRRのハンドリングを楽しむことができるというわけだ。
来春発売の通常モデルの「トゥインゴGT」には他のボディカラーも加わる模様だが、今回の200台限定発売となる「トゥインゴGT」のボディカラーは、仏語でオレンジ色を示す「オランジュプレイズメタリック」のみ。しかも、積極的にスポーティドライブが楽しめる5速マニュアルだけの設定となる。価格は224.0万円だ。(編集担当:吉田恒)