本格ミステリー「ユリゴコロ」が実写化、主演は吉高由里子

2017年9月30日 11:55

■今秋の注目作「ユリゴコロ」が上映スタート

 芸術の秋を堪能しやすい気候になってきたが、9月23日から邦画「ユリゴコロ」の上映が始まった。原作は沼田まほかるの本格ミステリー作品だ。

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■「ユリゴコロ」のあらすじ

 亮介(松坂桃李)はいたって普通の人生を送っており、充実した毎日を送っていた。しかし、婚約者・千絵(清野菜名)が突如として姿を消し、さらに父親が末期のガンであることが発覚する。その上、母親が事故によって死亡し、一気に人生のどん底をはい回るような生活に陥る。

 亮介は千絵と共に喫茶店を経営していたが、彼女頼りのところもあり収益にも大きく響いている状態だった。それでも末期がんの父をケアするため実家に度々戻っていたが、その中で彼は4冊のノートと女物のバッグを発見する。そのノートのタイトルは「ユリゴコロ」。

 内容は美紗子(吉高由里子)という女性の告白文で、「私のように平気で人を殺す人間は、脳の仕組みがどこか普通と違うのでしょうか……」という一文からはじまっている。彼女は「人間の死」だけを人生のよりどころにして生きていたが、洋介(松山ケンイチ)という男性に出会うことでその人生は徐々に変わっていく。

■演技に定評がある役者陣が出演!

 緊迫感のある空気が漂う本作だが、映像化に当たって実力派の俳優・女優が集まっている。ノートに記述される殺人者・美紗子を演じるのは吉高由里子。彼女はデビューまもなくして「蛇にピアス」でいきなり主演を演じると共に、大胆なヌードシーンを披露した。その演技が認められ第32回日本アカデミー賞新人俳優賞、ブルーリボン賞新人賞を受賞している。

 美紗子と出会うキーパーソン役は松山ケンイチが担当。彼は実写「デスノート」のL役で脚光を浴び、その後も日本映画界を引っ張ってきた立役者だ。ドラマでは「銭ゲバ」でお金に執着する主人公役を演じ、2016年に上映された「怒り」でもその実力を見せつけている。

 本物語の語り部的な存在である亮介役は松坂桃李が担当。若手俳優として様々な映画に出演しており、2016年の「湯を沸かすほどの熱い愛」ではバックパッカー役を演じる。行き場を見つけられない現代人を等身大で演じ切り、その底力を見せつけてくれた。

 本作のタイトルであると共に、作品内でも重要なキーワードとなってくるユリゴコロ。ノートの内容に主人公が迫ることで物語の真相が見えてくるのだが、原作ではラストのどんでん返しで読者の度肝を抜いた作品だ。その展開を映像によってどのように表現しているのか見どころになってくる。(記事:藤田竜一・記事一覧を見る

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