宇宙から地殻変動を監視するシステム完成 首都直下型地震の予知に期待

2017年9月19日 11:30

JESEA(地震科学探査機構)と東京農業大学は地震による正確で迅速な予測を行うため、東京農業大学の世田谷キャンパス内に電子観測器を設置した。これにより首都特化型地震の前兆を補足することが期待されている。これまでも国土交通省国土地理院が設置管理する衛星測位「GNSS」による電子基準点観測網からデータを得て地震予知が行われてきたが、それよりもさらに制度が向上したという。

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 GNSSによって従来よりも高精度な地震予測が可能になったのだが、それでも1日平均のデータでしかなく、補足できない地震の前兆が存在することが問題となっていた。今回の独自電子観測点の設置は、GNSSの観測だけの予測データのみならず、複数の予測期によるデータ収集を行い地震予測の時間的制度の向上を目的としているのだ。この2つの観測機の測定により、独自電子観測点以上が生じておおむね1カ月以内の地震の観測が行えるようになり、精度の向上に成功している事となる。

 地震予測精度の向上は日本の首都である東京を防衛するという点で効果を発揮する。JESEA行う地震予測は「いつ」「どこで」「震度5以上」の地震が起こる可能性の診断というものであり、国が行う「ここ数十年のうちに数パーセントの確率で震度○○の地震が発生する」という遠い将来の観測結果よりも詳細だ。例えるなら、これまでの地震予知が過去の病歴から将来の健康を診断しているのに対して、今回のシステムは地球の短期変動や長期変動、累積異常は健康状態、地震が「地球の病気」として、健康状態から病気になるリスクがあるのかを診断するというイメージに近い。

 実際により正確な地震予測が行われ、震源地が東京都の範囲内に含まれているのであれば、対策や避難などの首都防衛が可能となるし、ひいては国民の身を守るための大切な手段となるのだ。遠い予測ではなくより身近で現実的な地震予測の存在は、地震の発生が多い日本においては不可欠だ。今回設置された電子観測器は地震被害を最小限に抑えることのできるシステムとして期待されている。(編集担当:久保田雄城)

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