みずほとゆうちょ、国内地銀が手を組んだ新仮想通貨「Jコイン」構想
2017年9月19日 06:55
みずほフィナンシャルグループとゆうちょ銀行、および、約70の地銀が集まって仮想通貨「Jコイン」を作成するという構想が出てきた。日経新聞などが報じている。Jコインは円と等価で交換でき、そのままインターネットや実店舗での支払いにも使える仮想通貨という位置付けだ。国際的にも電子決済の利用が増え、海外旅行客がApple Payやアリババなど他の電子決済を多用する中で、2020年のオリンピックまでには実用化を目指すという。
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Jコイン側では三菱東京UFJ銀行など他のメガバンクにも参加を呼びかけている。ただし三菱東京UFJ銀行はすでに独自の仮想通貨である「MUFGコイン」の実証実験を始めている。またみずほ銀行も「みずほコイン」という仮想通貨を構想している。
Jコインでは、参加する銀行の口座にある日本円をJコインに変換してスマートフォンで買い物をしたり、個人間送金を行ったりできると予測されている。他の仮想通貨とは違いゆうちょ銀行や各地の地方銀行が参加しているので、都市部でなくとも使えるところが多いと思われる。これは大きなメリットだ。
また仮想通貨ではあるが、Jコインは1円=1Jコイン(通貨単位はまだ不明)となり価値は変動しない。投機の対象にならないが、安全性は高いと言える。しかし、ユーザーが爆発的に増えるとは予測できない。理由は次の3つだ。
・現在は鉄道系電子マネーが大きなシェアを持っている中で新たにユーザーを確保するのは難しい。日常的に鉄道を利用しているユーザーは、鉄道系電子マネーを使い続けると予測されるからだ。
・日本円をJコインに変換する手間がかかるので、Jコインよりもクレジットカードや振込を使うユーザーの方が多いと思われる。利用を増やすには、何らかの付加価値を付ける必要がある。
・Apple Payなど海外ユーザーにも使える大手の決済方法と結びついていないため、海外ユーザーがJコインを使う機会は少なく、日本国内でしか通用しない「ガラパゴス仮想通貨」になる恐れもある。他の仮想通貨のように、気軽な海外送金にも使えないのは不便だ。
実際に運用を開始するまでにこれらの問題点が解消し、よりユーザーにとって魅力的なサービスになることを期待したい。(記事:成瀬京子・記事一覧を見る)