再配達問題化で配達員にねぎらいの声をかける人が増加

2017年9月12日 07:26

 宅配業界においては慢性的な人手不足とアマゾンといった通販事業の需要が増加しているなかで、再配達による長時間労働など課題も山積しているのは報道のとおりだ。

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 労働環境の悪化などが問題視されていて、再配達によりろくに休憩を取ることができない、長時間労働が強いられる環境で苦しんでいるという社員が多く、給与や労働時間など待遇改善などを含め、労働環境の改善が求められている。このような現状のなかで、人々の意識が変わりつつあるようだ。

 再配達などが物流業者で負担となっていることが連日の報道で明らかになっている。ジャストシステムの意識調査によると、こうした報道がなされて以降、約59.2%の人が「日時指定をして、その時間帯は在宅するようになった」と回答している。さらには、約54.6%の人が「配達員に『おつかれさまです』などといったように声がけするようになった」と回答しているということだ。

 再配達問題によって物流環境の過酷さや、配達員の労働環境の悪さなどが世間に広まり、理解されていると言える。通販を利用する人はもちろん、多くの人に配達員の大変さが伝わり、以前と比較すると人々の意識もかなり変わってきたと言える。たしかに、これまでも物流業界の厳しさはあったものの、配達員の労働環境や再配達による負担などが報道されることは少なかったため実態を知る人は少なく、世間の関心は薄かっただろう。便利だから何気なく日常で使っている通販だが、便利なだけに配達員に負担がかかっている現状が浮き彫りとなった。

 こうしたニュースが連日報道されたことで、人々の意識が変わることで再配達の防止や運賃適正化の契機にもなり、労働環境の改善にも少しずつではあるがつながっていくのではないだろうか。消費者の心がけと、世論の広がりによって物流業界の労働環境改善が進んでいくことを期待したい。(編集担当:久保田雄城)

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