日産、新型リーフを10月2日に発売 初のフルモデルチェンジ
2017年9月12日 11:34
日産自動車は6日、電気自動車(EV)「リーフ」初のフルモデルチェンジ(全面改良)となる新型車両を公開した。初代リーフは2010年12月に市場に投入されていたが、それから約7年の時を経て2代目へと生まれ変わる。最大の注目点であるバッテリーはサイズ変更なしで容量を30%以上アップ、満充電での航続距離は初代の200km、228km、280kmを経て2代目リーフでは400km(JC08モード)へと大幅な改善となった。
【こちらも】日産、新型「リーフ」性能アップでEV大衆化へ加速か? 購入時の注意事項
さらにモーターの性能は、最高出力が初代の80kWから2代目は110kW、最大トルクは同254Nmから同320Nmになった。2代目リーフはガソリンエンジンで換算すると排気量3,000cc級と同等となり、その結果加速性能も大きく向上している。2代目リーフは10月2日にまず日本で発売され、以後アメリカ、カナダ、欧州は来年1月に発売された後、世界60カ国で順次発売される。
EVが現在まで順調に普及してこなかった理由は(1)フル充電での走行距離が短い(2)値段が高い(3)充電時間が掛かる(4)劣化が早い(5)車内に大きな設置スペースが必要の5点にまとめられる。
今回2代目リーフが満充電航続距離を初代の200Kmから400kmへ7年間で倍増させたインパクトは大きい。EVが現在のブームのような状況になる以前から、その環境貢献特性を評価しながら躊躇していた人達も、いよいよ決断の時期に近づいたと言えるかも知れない。
同時期に大きな話題を集めているテスラのモデル3の航続距離は、スタンダードバッテリーモデルが約350km(EPA)と公表されている。計測方法が日本とアメリカで相違しているため分かりにくいが、スタンダードバッテリーモデルとの比較においては大きな相違はない。
また充電インフラは急速充電器が全国で約7,000基、それに通常の充電器を足せば全国の充電ポイントは約2万8,000基である。EVの走行台数を勘案すると全国のガソリンスタンド3万2,333カ所に見劣りはしない。急速充電で80%の充電に要する時間は40分となった。
新型リーフにはアクセルペダルの操作だけで加速・減速を可能とし、ブレーキペダルをほとんど踏むことのない、新しいドライブ感覚を楽しめるe-Pedal機能や、プロパイロット パーキングと名付けられた駐車支援システムも装備されている。新型リーフが市場にどのように迎えられるのかを予断することは控えたいが、日本のEVを牽引してきたリーフの2代目が受ける評価の意味は大きい。(記事:矢牧滋夫・記事一覧を見る)