フラットUIデザイン、目的のリンクやボタン見つけまで時間かかる
2017年9月9日 09:52
headless曰く、 Nielsen Norman Groupが実施した調査によれば、フラットUIデザインのWebページでは目的のリンクやボタンを見つけるのに時間がかかるようになり、無関係な部分に視線が向くことも多かったそうだ。調査は一般的なWebユーザー71名を対象に実施されたもので、アイトラッキングデバイスで視線の動きも記録している(Nielsen Norman Groupの記事、アイトラッキングの結果、The Register)。
フラットデザインはすっきりしてモダンな印象を与える一方、リンクやボタンが目立ちにくい傾向がある。調査では実在の6カテゴリー9件のWebページをベースにフラット版とクラシック版の2種類を用意し、合計18種類のWebページを使用。元のWebページがフラットデザインの場合、リンクテキストを青字で下線入りにしてボタンを立体的にするなどしたクラシック版、クラシックデザインの場合は逆にフラット版を作成している。
調査対象者にはフラット版かクラシック版、どちらか一方のWebページを見せ、目的のリンクやボタンを探すように指示が与えられる。たとえばホテルのWebページでは部屋を予約するのが目的だと説明し、クリックする場所が見つかったら知らせるように伝える。指示の内容を理解しやすいよう、事前の練習も行われたとのこと。
その結果、フラットデザインではクリックする場所を見つける時間が平均22%長くなり、ページ内で視線のとどまる場所は平均25%多くなったという。ただし、情報量の少ないページや、目的の要素がよくある位置に配置されているページ、周囲の要素とのコントラストが大きい、または離れているページでは大きな差が出なかったそうだ。
なお、調査対象者には集中して目的のクリック場所を探すよう指示しているため、現実のWebブラウズとは異なる。現実には目的の内容がそのページにあるとは限らず、ユーザーは他のページに移動するなどしてあちこち見て回ることになる。その結果、ユーザーが存在を知らなかった情報を得られることもある。今回の研究はフラットデザインのユーザビリティーの問題を調べるのが目的ではなく、ユーザーが個別のページでどのように操作するのかを調べるのが目的だったとのことだ。