太陽フレアとは何か、どういう現象が起こるのか、どんな対策が必要か
2017年9月8日 13:39
9月6日の夜に太陽で大規模な太陽フレアが発生した。「太陽フレア」とは太陽表面の黒点で起こる大規模な爆発現象のこと。爆発により荷電粒子が多数放出されるのだが、今回は、通常の1000倍の強さのX線が放出されるという。粒子は9月8日の午後3時頃から夜12時頃にかけて地球に到達するため、その時刻にはいろいろな影響が起こると見られている(実際には8日午前9時ごろから到達し始めたと見られている)。
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太陽は常に核融合を続けているため、小規模な爆発は日常的に発生している。ときどき大きな爆発を起こし、X線や荷電粒子、陽子を放出する。今回のような規模の大規模爆発は、2006年に観測されて以来11年ぶりとなる。これは太陽活動のサイクルがほぼ11年周期で変動していることによるものという。
前回の大爆発時には現在のように電子機器や電波があらゆるところで使われていなかったため、今回は、これまで想定できなかった影響があるかもしれないと言われている。現在のところ、電子を帯びた粒子が地球に届くことで次のような現象が起こりうると考えられている。
・荷電粒子で地球の地磁気が歪み、磁場が乱れる(磁気嵐)
・GPS(位置情報システム)に数十メートル程度の誤差が出る
・そのためカーナビの位置表示がズレる可能性がある
・無線通信、短波通信が届きにくなる
・通信衛星、放送衛星などの人工衛星に障害が起こるかもしれない
・送電線への影響があるかもしれない
・緯度の低い地域でもオーロラが見られるかもしれない
・まれに停電が起きる
大きな影響を受けるのは9月8日の午後3時頃から夜12時頃にかけて、小規模な影響は1週間程度続くと見られている。
電波に影響を与えるのは、爆発により放出されたX線が地球の電離層を刺激して電波を吸収してしまうためだ。ただし、無線LAN(WiFi通信)や携帯電話(3G、4G通信)は電離層に関係がないため、通信が途絶する心配はない。
カーナビのGPSについては、現在使用されているものはそれほど精度が高くないので、あまり心配はない。ポケモンGOなど、位置情報に依存したアプリケーションには影響が出る可能性がある。
太陽フレアは電波に影響を与えるだけで、人体には影響はない。また、電子機器にも基本的には影響はないため、さほど準備することはない。ただし、万が一の停電などに備えて重要なデータは常にバックアップを取っておこう。(記事:成瀬京子・記事一覧を見る)