訪日外国人による交通事故が急増 国交省は対策へ
2017年9月6日 11:31
国土交通省によると、国内旅行の際にレンタカーを利用した外国人観光客は、2011年の約17万9000人から増え続け、15年には4倍近い約70万5000人に達した。レンタカーによる死傷事故は、全体では減っているものの、訪日外国人が原因の事故は、過去3年間で2倍以上に急増している。このうち、沖縄県レンタカー協会によると、訪日外国人が多い沖縄では物損も含めると事故件数は昨年だけで9648件に上り、過去3年間で約3倍に増えた。
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韓国・台湾・香港など、アジアから来日する観光客に人気のある訪問先は北海道、東京近郊、沖縄、九州の順に高い。海外の旅行会社からは「高速道路の出口と路線を知らせる標識や案内板がわかりにくい」、「外国語の表記を増やして欲しい」などの要望が多数寄せられているという。
20年の東京五輪パラリンピック大会に向けて、訪日外国人のますますの増加が見込まれている。そこで今秋から国交省は訪日外国人のレンタカー利用が多い北海道、九州や沖縄などの地域において、外国人が事故を起こしやすい危険箇所の特定を実施する。
具体的には、レンタカー会社、警察署や観光協会などと国交省が連携し、ETC2.0やドライブレコーダーを搭載したレンタカーを利用する外国人が、どこのエリアで急ブレーキを踏んだかといったデータを集約する。それをもとに、外国語に対応した標識や看板などを設置して、日本の交通規則や道路標識への理解を促進していくという。
外国人観光客の増加は、日本経済には喜ばしいことである。しかし、それが元で多くの外国人含め、日本人にも被害が及ぶのでは本末転倒といえる。東京五輪パラリンピック大会の開催は間近であり、急ピッチでの対策が求められる。外国人にとってもドライブできる道路環境を作ることが、外国人観光客のさらなる獲得につながる重要な施策の1つとなるだろう。(編集担当:久保田雄城)