京阪電車、祇園四条駅・三条駅の構内に自動外貨両替機を設置
2017年9月5日 11:49
京阪電気鉄道(京阪)は4日、祇園四条駅及び三条駅に自動外貨両替機を設置し、14日からサービスを開始すると発表した。訪日外国人(インバウンド)の多い2駅にまず設置し、今後、設置駅を拡大するとしている。
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京阪祇園四条駅の東側は祇園の繁華街であり、南座、八坂神社、円山公園、知恩院といった名所に向かう訪日外国人の利用が多い。また、祇園四条駅の隣駅、三条駅周辺(三条京阪)も、先斗町通をはじめとする繁華街を抱え、バスターミナルを併設し夜行高速バスも乗り入れるなど、交通の拠点となっている。
自動外貨両替機は、タッチパネル式で4カ国語(英語、中国語、韓国語、日本語)に対応する。取り扱い通貨は、12通貨(USドル、ユーロ、UKポンド、オーストラリアドル、中国人民元、香港ドル、韓国ウォン、新台湾ドル、シンガポールドル、タイバーツ、インドネシアルピア、マレーシアリンギット)。外国紙幣を入れると、その日の為替レートに応じた日本円紙幣と硬貨に両替される。
利用時間は、年中無休で5時から24時まで。取扱金額は、1回あたり日本円で最高10万円までとなる。
訪日外国人の旅行者数は、2011年の約620万人から2016年は2,400万人を超え、今後もさらに増え続ける見込みである。観光庁が訪日外国人に行ったアンケートでは、「無線wifi環境」や「コミュニケーション」のほか、「両替所の不足」も旅行中に困ったこととしてあげられていた。観光庁の資料では、訪日外国人の96%が決済手段として現金を使用しているが、その反面、外貨両替ができる場所が少ない点が問題となっている。自動外貨両替機のホテル等への導入は進んでいるが、駅構内に設置する事例はまだ珍しい。京阪では、1日に1台あたり平均1,000人の利用を見込む。
自動外貨両替機の保守は、アクトプロ(東京・千代田区)が行なう。同社は2017年中に200台、東京オリンピックが開催される2020年までに1,000台の設置目標を掲げている。有人両替所を設置した場合、語学堪能なスタッフを雇用し、財務省への報告等を自ら行う必要があった。自動外貨両替機の場合、現金回収や日本円の補充、財務省への報告等はすべて同社が行なうとしている。(記事:松村美風・記事一覧を見る)