最新のTシャツ縫製ロボット、製造能力は労働者17人相当
2017年9月4日 21:21
taraiok曰く、 SoftWear Automationという企業が、Tシャツやジーンズの縫製を行うロボットを開発したそうだ(QUARTZ、atdc、Slashdot)。
同種のものを大量生産するような縫製工場での作業は自動化に向いているようにも見えるが、布などの生地は容易に伸縮して変形し、それに応じて縫い方や生地の扱いを変える必要があることから機械化は難しく、ロボットによる縫製作業はあまり行われていなかったという。
SoftWear Automationが開発した縫製ロボット「sewbot」は画像認識技術によって生地の状態を検知し、変形を検知して適切に対処できるとのこと。当初はバスマットのような単純な形状のものしか製造できなかったが、現在ではTシャツやジーンズの製造が可能になり、たとえばTシャツであれば8時間で約1,142枚を製造できるそうだ。これは労働者に換算すると17人分に相当するという。
アディダスやアルマーニなどさまざまな衣料ブランドがこのロボットに関心を示しているそうで、またこうした衣料ブランドから製造を委託されている中国企業Tianyuan Garments Companyはこういったロボットを導入した縫製工場を米国に建設しているそうだ。ロボットの導入により、人件費の高い米国内でも安価に衣類を製造できるという。
国際労働機関(ILO)はインドネシアの繊維、衣服、履物労働者の約64%、ベトナムでは86%、カンボジアでは88%の労働者がロボットに置き換えられるという試算を昨年に発表しているという。