「波の音を聞く」全盲のプロサーファー

2017年9月4日 09:47


*09:47JST 「波の音を聞く」全盲のプロサーファー
 何かを始めたいと思っても、「どうせ自分には無理」と最初から諦めていませんか? 時間がないとか、身体的あるいは金銭的な理由もあるでしょう。でも、全盲のブラジル人サーファー、デレック・ラベロさん(DerekRabelo)が波乗りする姿を見たら、不可能なことはないと思えるかもしれません。


 デレックさんがサーファーの父親に勧められ、初めて波乗りに挑戦したのは17歳のとき。それ以来、彼は友人と共に練習を重ね、数年後には自在に波に乗れるようになっていました。生まれつき全盲だった彼は、研ぎ澄まされた聴覚で波の音を聞き分け、波に乗る方向を決めるといいます。


 2012年、世界中のプロサーファーを魅了するハワイ・パイプラインの世界大会に出場したデレックさん。パワフルな高波に乗りだし、悠々と滑るように波に乗る彼のテクニックに、多くの人が息を呑みました。その後、彼は世界各地の海でサーフィンをしながら、講演活動を行っています。


 デレックさんには今年、嬉しいニュースがありました。オーストラリアのビーチで知り合ったドイツ人の女性マデリーン・クナートさん(MadelineKunert)と、2月に結婚式を挙げたのです。彼はフェイスブックの中で「僕にできるのは、君の美しさに感謝することだけ。そして君に出会えたことを神に感謝している」とコメントしています。


 「泳ぐことも、スケートボードも、バイクも乗れる。神がいれば、すべては可能です」と語るデレックさん。「すべての人が、熱意と献身さえあれば、神から与えられた能力を磨くことができるのです」


 誰もが危険で不可能だと思っていたことを、見事にやり遂げたデレックさん。今後は、世界で最も高い波がブレイクするポルトガル、タヒチ、ハワイでサーフィンをし、ドキュメンタリーを制作して多くの人々を勇気づけたいと語っています。

(文・郭丹丹)

【ニュース提供・大紀元】《HT》

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