ペースメーカーの脆弱性を修正するファームウェア更新 米St. Jude Medical

2017年9月3日 21:45

Abbott(St. Jude Medical)の植え込み型心臓ペースメーカーに外部からの不正アクセスが可能な脆弱性が発見されたとして、米食品医薬品局(FDA)がファームウェア更新のためのリコールを発表した(FDAの発表AbbottのプレスリリースThe Vergeの記事Consumeristの記事)。 この脆弱性を悪用すると、市販の機器を用いて患者のペースメーカーに不正アクセスが可能になる。これにより、バッテリー消費を増加させたり、不適切なペーシングを実行させたりといった攻撃が実行される可能性がある。 対象となるのは無線テレメトリー機能を搭載したSt. Jude Medicalブランドの植え込み型心臓ペースメーカーおよび心臓再同期療法ペースメーカー(CRT-P)で、米国では465,000台が使われているという。なお、植え込み型心臓除細動器(ICD)および心臓再同期療法ICD(CRT-D)は対象外となる。 ファームウェアの更新は医療機関で行う必要があり、所要時間は3分ほど。この間ペースメーカーはバックアップモードで動作(67BPM)し、生命維持機能は引き続き利用できる。更新が完了すると以前の設定で動作が再開される。更新が失敗する可能性は非常に低く、文鎮化の確率は0.003%とのことだ。

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