ムダ無くし業績は過去最高、働き方改革が成功したアイケイの取り組みとは
2017年8月30日 09:05
いくつものユニークな働き方を導入し、業績が過去最高。過去4年新卒退職者は2名。今、愛知県名古屋市のある会社の働き方が話題となっている。商品の企画から製造販売を行っているJASDAQ上場のマーケティングメーカー「アイケイ」は、毎月の固定の残業代をチーム全員で分配するフリータイム勤務制度をはじめ、新卒採用面接は会長1回のみなどユニークな社内の取り組みを行い、劇的に業績を伸ばしている企業だ。
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多くの企業が頭を悩ませている残業問題だが、アイケイでは削減する方法として、「フリータイム勤務制度」を取り入れている。この制度は毎月固定の残業代をチーム単位で支給し、分配するというものだ。2016年6月からスタートし、実施前と実施後では全体の残業時間が15%減少。理由は社員それぞれが定時帰宅の意識を持ち、就業時間の有効的な活用方法を考えるようになったからだ。残業時間を削減して残業代を支給するこの制度は多くの社員から支持を受けており、社員のやる気にも火をつけているようだ。
新卒採用面接試験も実にユニークだ。新卒採用は会長の1回のみで合否を決定。数回面接を行い最終面接で不合格となってしまったら、求職者にとってはそれまでの時間がムダとなってしまうと考えているからだ。2013年からこの一発採用を取り入れているが、アイケイの社風に合った人材が多く採用ができるようになったという。毎年約8~10名程度の新卒採用を行っているが、この採用方法を導入した過去4年間で退職した新卒社員はわずか2名、退職率は7%と驚異的な数値だ。
さらには、同社では「ファンつくり」という企業理念をモットーに、来社した顧客にも、社員にも、会社のファンになってもらうためにスタートした「新入社員による『おもてなし課制度』」をはじめ、昼の混雑を避けるためにお昼休憩は11:45からとする「時差ランチ」や就業前20分間、社員全員で清掃をする「環境整備」など、ユニークな制度も行ってる。
幾つものユニークな社内制度の充実したことで働きやすさが向上、そして多くの社員のモチベーションもより一層向上している。それを物語る数値として2017年の売上は過去最高を記録しているそうだ。まさにwin-winの関係ではないだろうか。働き方改革を行いたいと考えてる多くの企業の一例としても大いに参考になるものだろう。(記事:久保圭大郎・記事一覧を見る)