大量のアトランティックサーモン、米養殖業者から太平洋に流出
2017年8月27日 22:38
米国・ワシントン州のピュージェット湾内、サイプレス島付近で、養殖業者Cooke Aquacultureが所有する養殖施設から大量のアトランティックサーモンが流出し、太平洋側の在来種への影響が懸念されている(Cooke Aquacultureの発表、WDFWのニュースリリース、The Guardianの記事、CBC Newsの記事、The Seattle Timesの記事)。 養殖場は30年ほど前から使われていたもので、昨年Cooke Aquacultureが購入したという。同社は事故の発生を19日にワシントン州魚類野生生物局(WDFW)に報告し、異例の高潮や潮流により養殖場の構造が破損したと発表している。ただし、米海洋大気庁(NOAA)は19日の潮流について、非常に速かったが特別速かったわけではないと述べており、既に7月下旬には問題が発生していたとも報じられている。 養殖場に囲われていたアトランティックサーモンは305,000匹で、うち4,000~5,000匹が流出したとみられるが、実際の流出数は潮の状態が改善後に養殖場内に残っている数を確認する必要がある。個体は4kg前後であり、食用可能。既にキングサーモンなどパシフィックサーモンの漁で捕獲されているという。WDFWではアトランティックサーモンを侵略的外来種に指定しているが、流出による影響がどの程度のものかはわかっていないようだ。 WDFWは流出したアトランティックサーモンが釣り人により回収されることを期待しており、捕獲したアトランティックサーモンの数を報告するよう釣り人に求めている。漁獲可能なアトランティックサーモンの大きさや数に制限は設けられていないが、パシフィックサーモンやトラウトの漁が許可されている区域に限定し、パシフィックサーモンまたはトラウトの漁獲高が1日の制限に達したら漁を終了するようにとのことだ。