日立、インド・東南アジア・中東向けに新型エスカレーターを発売
2017年8月21日 16:49
日立製作所と日立ビルシステムは、中国で先行発売していた新型のエスカレーター「TXシリーズ」を、インド・東南アジア・中東の諸地域向けに、8月21日から順次発売を開始していくと発表した。
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TXシリーズの特長は、まず安全性にある。エスカレーターにおいてよくある事故といえば「靴を挟みこまれる」事故であるが、これを防ぐため、ステップの両サイドを中央部分より8mm高くし、また左右の壁面足元部分に、壁面との接触を知らせるためのブラシが配置された。さらに、乗り降りの際の転倒防止として、乗降口の床には滑りにくい表面加工が採用されている。
次はデザイン性である。TXシリーズは、「シンプルで機能的なデザイン」を採用している。スムーズで、安全で、快適な移動のため、欄干の金属製フレームは極小化されてガラス面が大きく取ってあり、手すりの吸い込み口周辺は凹凸が減ってシンプルになっている。また、欄干全周を照らす照明オプションも用意されている。
さらに、省スペース化も図られた。従来製品よりも梁間寸法(エスカレーターを設置する際、エスカレーターの両端を取り付ける上階と下階の梁同士の水平距離)が150mm短縮されていて、これまでは困難であった狭隘なすぺースへの設置も可能になったという。なお、運行速度は分速30mとなっている。
2017年6月に中国で発売されたTXシリーズは、中国の昇降機安全・品質基準を満たしているのはもちろんのこと、日立独自の安全・品質基準によって開発・製造されている。2016年9月に発売された「アジア・中東地域向け機械室レスエレベーター」以来の、幅広い地域で展開される標準製品として、2018年度の売り上げ目標は、中国、タイ、フィリピン、マレーシア、そして中東地域で、年間1万台受注を目指すという。(記事:藤沢文太・記事一覧を見る)