大成建設、新方式のビル解体工法「テレコップ-light」を開発
2017年8月21日 16:34
大成建設は、同社の「テコレップシステム(環境に配慮をした閉鎖型解体工法)」の発展形として、RC(鉄筋コンクリート)造超高層建造物にも適用可能な解体工法、「テレコップ-light」を開発した。
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ビルというものにも寿命がある。いずれは取り壊すなりなんなりしなければならない。そういったとき、どうするか。たまにテレビ番組で、爆薬を使って派手に高層ビルを解体する映像が放送されていることがあるが、爆破解体という方式は日本ではあまり一般的ではない。
ビル解体というのはそれなりに需要があるビジネスのため、日本国内でも各社さまざまに工法を開発しているのだが、そういった中でも大成建設の超高層ビル解体工法「テレコップシステム(Taisei Ecological Reproduction System)」は注目を集めている。
テレコップシステムは、非常に単純に説明すると、「だるま落とし」だ。ビルを完全な閉鎖、固定状態に置き、下の方から構造体を分解していくのである。敷地が狭かったり、近隣のビルに悪影響を及ぼしたくなかったりといった条件の、主には都市部の超高層ビルの解体において用いられている。
しかし、このシステムは、既存の梁や屋根部を利用して閉鎖空間を構築するため、躯体重量が大きいRC造の建造物への応用が難しいという問題があった。そこで新しく開発されたテレコップ-lightでは、既存躯体とは別に、鉄骨で新設の閉鎖用屋根(軽量屋根)を構成する。
これによって、重量は従来の1/3程度にまで抑えられ、屋根降下用ジャッキをほぼ半数にまで減らすことができた。また、ジャッキの定着部分をユニット化し、工期の短縮、柱の形状に対するフレキシブルな対応も可能になったという。
なお、テレコップ-lightは100メートル以上の超高層ビルだけでなく中高層建物にも利用可能なため、大成建設としては今後、顧客ニーズに合わせた工法の提案を行っていきたいとしている。(記事:藤沢文太・記事一覧を見る)