【編集長の視点】アクモスは反落も連続最高業績と増配を手掛かりに下値には低位値ごろ株買いが継続
2017年8月21日 09:25
アクモス<6888>(JQS)は、前週末18日に4円安の305円と反落して引けた。日経平均株価が、スペインで発生したテロ事件や米国のトタンプ政権の混乱などが響いて今年5月2日以来、3カ月ぶりの安値まで急続落したことから、同社株も目先の利益を確定する売り物に押された。ただ、下値には同社が今年8月4日に発表した6月期決算で、前2017年6月期業績が、今年7月31日の上方修正通りに続伸して着地し、続く今2018年6月期業績が、連続過去最高更新と予想され、配当も、前期の3期ぶりの復配から増配を予定していることを手掛かりに低位値ごろ株買いも継続した。IT関連株として健康経営、テレワーク、情報セキュリティ、ドローンなどに多方面に展開し多彩なテーマ性を内包することも、急騰再現期待を高めている。
■専門特化型の情報ソリューション・サービスや健康管理システムなどが好調推移
同社の今6月期業績は、売り上げ42億円(前期比3.4%増)、営業利益1億5500万円(同5.8%増)、経常利益1億7000万円(同6.9%増)、純利益1億5000万円(同4.2%増)と予想され、前期に続き過去最高を更新する。前期から推進している中期経営計画に沿って、同社グループの技術を活かしたソリューション、サービスを提供する専門特化型の事業変革を進めており、情報セキュリティ対応では、今年6月に超高速秘密分散ソリューション「SYMPROBUS Divide API」をリリースし、業種型特化型ICT(医療)では、病院内情報システムの運用支援の業務シェアを拡大するために医療情報技師資格を前期までの24名に続いて今期も8名が合格(取得)し、BPOソリューション事業では、「働き方改革」、「健康経営」などの社会的ニーズの高まりに対応してEAP(従業員支援プログラム)としてストレスチェックパッケージの英語版やクラウド型の健康管理システム「LIFEDESK」の提供を開始したことなどが要因となる。
配当は、前期に3期ぶりに復配し2円としたが、今期は3円に増配を予定している。なお中期経営計画では、最終年度の2019年6月期に売り上げ45億円、営業利益2億7000万円、経常利益2億9000万円、純利益2億3000万円を目標とし、株主への利益配分についても単体純利益の配当性向30%を目指すだけに、一段の利益還元も期待される。
■25日線から6%超の下方かい離と下げ過ぎを示唆し多彩なテーマ株人気で高値を目指す
株価は、年初来安値228円から前期第3四半期(2016年7月~2017年3月期、3Q)の高利益進捗率業績の高評価に、身代金(ランサム)を要求するサイバー攻撃の世界的な続発による関連株買いが加わり、年初来高値393円まで7割高してこの上昇幅の3分の1押しとなる25日移動平均線水準で中段固めを継続し、足元では日経平均株価の2万円大々台割れとともに、25日線を下ぶれた。25日線からは6%超のマイナスかい離と下げ過ぎを示唆しており、多彩なテーマ株人気も手掛かりに低位値ごろ株買いを再燃させ25日線抜けから年初来高値にキャッチアップしよう。(本紙編集長・浅妻昭治)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)