人事院、公務員給与・ボーナスの引き上げ勧告 4年連続
2017年8月9日 08:01
人事院が8日、4年連続となる公務員給与とボーナスの引き上げを勧告した。政府は2017年度の引き上げ勧告を受けて、給与関係閣僚会議で引き上げるかどうかを決める。勧告通り実施した場合には国家公務員への対応で約520億円、国家公務員に準じ地方公務員も同様に対応する場合、地方公務員には約1370億円が必要になる。
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勧告によると給与については「民間給与との較差(0.15%=平均月額631円)を埋めるため、俸給表の水準を引き上げるとともに、給与制度の総合的見直しにおける本府省業務調整手当の手当額引上げ」も求めている。
勧告通り実施されれば平均年齢43.6歳の一般職は現行給与(月額)41万719円が41万1350円になる。
また、ボーナスについても「0.1月分」引き上げるとともに「民間の支給状況等を踏まえ、勤勉手当に配分すること」を勧告。勧告通りに実施した場合、年間のボーナス支給は4.4ヶ月分になる。
非常勤職員についても「給与について本年7月に指針を改正したところであり、引き続き、指針の内容に沿った処遇が行われるよう、各府省を指導。民間における同一労働同一賃金の議論を踏まえ、慶弔に係る休暇等について検討するよう」求めた。
給与に対しての人事院の考えは「給与水準は経済・雇用情勢等を反映して労使交渉等によって決定される民間の給与水準に準拠して定めることが最も合理的」というもので「企業規模50人以上の多くの民間企業は部長、課長、係長等の役職段階を有しており、公務と同種・ 同等の者同士による給与比較が可能。また現行の調査対象事業所数であれば実地による精緻な調査が可能で、調査の精確性を維持できる」などとしている。
ただ、地方公務員が国家公務員に準じる形の現行制度の下では、地方の民間企業の給与実態との間に乖離があり、従業員50人以上の企業が地方自治体にどれくらい存在しているのか、地方自治体の給与所得者の平均値がどれくらいの水準かなど、都道府県単位の自治体ごとの給与実態に即した地方公務員給与体系の在り方、構築の検討が求められている。
なお、人事院総裁は勧告に合わせ「国会及び内閣は人事院勧告制度の意義や役割に深い理解を示され、勧告どおり実施されるよう要請いたします。国民各位におかれては行政各部において多くの公務員がそれぞれの職務を通じ国民生活を支えていることについて、深い御理解を賜りたい」などとする談話を発表した。(編集担当:森高龍二)