「CP対称性の破れ」の可能性、確率95%にまで高まったとの研究結果
2017年8月9日 07:50
あるAnonymous Coward 曰く、 高エネルギー加速器研究機構(KEK)などの「T2K実験グループ」が8月4日、 『ニュートリノの「CP 対称性の破れ」、可能性さらに高まる』(PDF)との発表を行っている。
KEKなどの研究グループは以前からニュートリノと反ニュートリノの違いを検証していたが、2016年夏の結果公表からデータ量を約2倍に増やして世界最高感度の測定を行った結果、ニュートリノと反ニュートリノで違いがある確率(CP対称性が破れている確率)が95%に高まったという。
なお今回の実験結果は、当初目標の約30%のデータ量のみに基づく中間結果であるとのこと。
ニュートリノは物質を構成する最小の粒子(素粒子)の1つ。非常に小さい質量を持ち、電荷は持たないという特徴がある。電荷を持たないため、その反粒子(反ニュートリノ)はニュートリノと同一のものである可能性があることが指摘されていた。
今回得られた結果では、ニュートリノと反ニュートリノが異なるものである可能性は増えたものの、それを結論付けるための統計的に十分な信頼度は得られていないという。そのため、今後は99.7%の信頼度での検証を目指すとのこと。