【編集長の視点】レカムは3Q決算発表を前に9期ぶり最高業績を見直し極低位有配株買いが拡大して続伸

2017年8月8日 09:21

 レカム<3323>(JQS)は、前日7日に1円高の113円と続伸して引け、25日移動平均線を出没する三角保ち合いに煮詰まり感を強めた。同社株は、今週末10日に今2017年9月期第3四半期(2016年10月~2017年5月期、3Q)決算の発表を予定しているが、今期通期業績が、9期ぶりに過去最高を更新すると予想されていることを見直し極低位有配株買いが増勢となった。中国子会社が、年内にも中国市場に新規株式公開(IPO)されることや、サイバー攻撃向けのインターネットセキュリティ関連機器の大幅販売増が続いていることも、潜在支援材料視されている。

■2Qの営業利益は9年ぶりの高水準で着地し9月通期純利益は大幅に過去最高更新

 同社の業績は、今2017年9月期に入ってV字回復を鮮明化した。今年2月に発表した第1四半期(2016年10月~2016年12月期、1Q)業績は、売り上げが2ケタ増収となって黒字転換して着地し、同5月に開示した第2四半期(2016年10月~2016年3月期、2Q)累計業績は、売り上げが24億900万円(前年同期比14.9%増)と5期ぶりに20億円を超え、営業利益が1億400万円(前年同期は100万円)と9年ぶりに1億円を超え、経常利益が9500万円(同300億円)、純利益が6900億円(同900万円)と伸び、2Q累計業績として過去最高を更新した。

 情報通信事業、BPO事業、海外法人事業の3事業すべてが増収となり、情報通信事業では顧客データベースの効率的活用により営業生産性を向上させ、ビジネスホン、デジタル複合機、セキュリティ機能を統合した情報通信機器のUTMやサーバーを拡販、海外法人事業では、子会社のレカムビジネスソリューションズ(大連)の昨年4月開設の上海支店の販売が順調に推移し、同12月開設の広州支店で商圏を広げ、日系企業へのLED照明やエコ商材の拡販に取り組んだことなどが寄与した。

 2017年9月期通期業績は、期初予想を据え置き売り上げ56億5000万円(前期比27.8%増)、営業利益3億円(同2.41倍)、経常利益3億円(同3.06倍)、純利益1億9000万円(同3.50倍)と見込み、純利益は、2008年9月期の過去最高(9400万円)を9年ぶりに大幅に更新するが、今週末8日に発表予定の今期3Q業績が、この通期予想業績に対してどのような進捗率を示すか注目されている。なお今期配当は、前期と横並びの1円を予定している。

■ゴールデンクロスを示現し三角保ち合いを上放れ年初来高値奪回に再発進

 株価は、今年6月にレカムビジネスソリューションズ(大連)の会社形態が「有限公司」から「株式有限公司」に変更することが承認され中国市場へのIPOが最終段階となったことで99円高値へストップ高し、さらに身代金(ランサム)を要求するサイバー攻撃が世界的に続発したことで、情報セキュリティ関連株人気を高めてストップ高を交えて年初来高値154円まで急騰、その後ほぼ往って来いで25日線を出没する三角保ち合いを続けた。テクニカル的に25日線が、5日移動平均線を下から上へ抜くゴールデンクロスを示現しており、極低位有配銘柄を再燃させて保ち合いを上放れ、年初来高値を目指して再発進しよう。(本紙編集長・浅妻昭治)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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