大和証券、米M&A会社2社の買収を発表
2017年8月6日 22:21
証券大手の大和証券を傘下に持つ大和証券グループ本社<8601>が、M&A及び資金調達アドバイザリー業務を行う米国の企業、Sagent Holdings, Inc.及びSignal Hill Holdings LLCの2社の買収を発表した。尚、買収金額については発表がなされていない。
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大和証券グループは、米国子会社を通じ既にテクノロジー・メディア・通信セクターに強みを持つSagent Holdings, Inc.に出資を行っており、業務提携を行う関係であった。既に提携後約10年が経過しており、買収を契機に大和証券グループとSagent Holdings, Inc.との関係はより深化することとなる。
Sagent Holdings, Inc.及びSignal Hill Holdings LLCは合わせて米国8カ所、インド2カ所の拠点を保有しており、両社の買収により大和証券グループは国際的なM&Aを手がけることができる体制を手にすることとなる。
尚、両社は将来的には経営統合し、「DCS アドバイザリー」の名称を用いて、大和証券グループの北米における M&A アドバイザリー事業を担う予定となっている。
大和証券グループは2009年の三井住友銀行グループ三井住友FG<8316>との提携解消後、国内の個人営業部門のテコ入れに注力しており、海外及び法人部門の強化は後手に回っている。今回の2社の買収により大和証券グループはアメリカのM&A市場に大きな布石を打つこととなる。既にSagent Holdings, Inc.とは10年来の協業関係にもあり、同社としては慎重に国際部門の強化に乗り出した形となる。
国内及び海外ともに大和証券グループはM&Aアドバイザー分野において、特に三井住友銀行グループとの提携解消後は、それ程実績を残すに至っていない。今回の米国のM&A会社2社の買収により、同社グループがM&A業界で今後どの程度の存在感を発揮することとなるのか、注目を浴びることになりそうだ。(編集担当:久保田雄城)