Windows 10 Sのインストーラーが公開
2017年8月5日 22:14
Microsoftは1日、既存のWindows 10デバイスへWindows 10 Sをインストール可能にする「Windows 10 S Installer」を公開した(Windows IT Centerの記事、ダウンロードリンク、Neowinの記事、BetaNewsの記事、On MSFTの記事)。 Microsoftが5月に発表したWindows 10 Sは、Windows 10の教育機関向けのエディション。機能的にはWindows 10 Proとほぼ同等だが、Windowsストア以外から入手したアプリが使用できない点や、既定のWebブラウザーがMicrosoft Edgeに固定されているなどの点が異なる。当初はプリインストールマシンを購入しなければ試すことができなかったWindows 10 Sだが、7月下旬にはMSDNサブスクライバー向けにISOイメージの提供が始まっていた。今回インストーラーが公開されたことで、一般のユーザーもWindows 10 Sをテストできるようになる。 インストーラーがサポートしているのは、Windows 10 Pro/Pro Education/Education/Enterpriseがインストールされている環境のみ。Windows 10 Homeにインストールした場合はライセンス認証ができないとのこと。教育用デバイスでのテストを目的として公開されるものだが、用途によってインストールが制限されることはないようだ。インストーラーは「Windows 10 更新アシスタント」と同じものであり、起動して数回ボタンをクリックすればダウンロードとインストールが実行される。 インストール完了後はライセンス認証された状態になり、10日間は元の環境に戻せるが、以降は元のWindowsの有効なプロダクトキーがなければ再インストールが必要になる。また、元の環境にインストールされていたWin32アプリは削除されるので、事前のリカバリーイメージ作成が推奨されている。なお、Windows 10 S上ではメディア作成ツールが実行できないため、再インストール用のメディアは事前に作成しておく必要がある。 手元の環境で少し試してみたが、Windows標準以外のWin32実行ファイルはブロックされて起動できない。Windows 10 S Installer自体も起動できなくなる。Windows標準の実行ファイルについては、「regedit.exe」や「cmd.exe」「powershell.exe」など一部の実行ファイルのみがブロックされる。Windows標準のコマンドラインツールについては、まったく使用できないというわけでもなさそうだ。 既定のブラウザーについては、「既定のアプリの選択」で「Webブラウザー」がオプションから削除されており、プロトコルやファイルの種類別に既定のアプリを選択する場合も一部はMicrosoft Edgeに固定されている。 なお、テストした環境ではインストール後にWindowsの表示言語が英語になり、日本語の言語パックを手動で追加する必要があった。