熱血アニメ列伝その26 メイオウ!『冥王計画ゼオライマー』
2017年8月3日 20:26
記事提供元:アニメコラムサイト|あにぶ
暑い!本当に毎日暑い日々が続きますね。寧ろ、「熱い!」と言ってしまいそうな、猛暑の今日この頃、熱血アニメファンの皆さん、いかがお過ごしでしょうか?
さて、今回も、そんなうだる暑さに負けない、熱いアニメ作品をご紹介していきたいと思います。
今回の作品は、80年代末のOVAアニメラッシュの中の1つである『冥王計画(プロジェクト)ゼオライマー』を取り上げたいと思います。
では、いつもの通りまずはあらすじから!
■少年が突然巻き込まれた「プロジェクト」とは……?『 冥王計画ゼオライマー 』のあらすじ
何不自由ない生活を送っていた、15歳の少年、「秋津(あきつ)マサト」。物語は、彼が謎の男達に追われているところから始まります。
謎の男達にマサトは痛めつけられた後に、拉致、そして監禁されてしまいます。
そして、謎の男たちの一人、「沖功(おきいさお)」はマサトに本人すら知らなかった、その出生の秘密を打ち明けます。その秘密とは、実はマサトは父母とは血縁関係になく、ある目的によって秋津家で育てられていた、という内容でした。
自分の出生の秘密に絶望し、そしてその後の数日の監禁生活によって、殺意や戦意と言ったものが研ぎ澄まされるマサトは、沖達の元から脱走を試みます。
何とか、護送中のトラックからの脱出に成功したマサトでしたが、彼が迷い込んだのは、謎の巨大な地下施設でした。
実は、そここそが沖達が管理をしている、政府の秘密基地「ラスト・ガーディアン」だったのです。「ラスト・ガーディアン」で眠っていたのは、地上最強の巨大ロボット、ゼオライマーでした。
ゼオライマーを狙うべく、ラスト・ガーディアンに一体の巨大ロボットが迫ります。その巨大ロボットは、世界を征服しようと企む秘密結社「鉄甲龍」、別名「ハウドラゴン」の主力兵器である「八卦ロボ」の一つ「風のランスター」でした。
マサトは訳も分からず、このランスターとの応戦の為に、謎の美少女「氷室美久(ひむろみく)」と共にゼオライマーに乗って出撃させられます。
最初は、戸惑ってほとんど何も出来ないマサトでしたが、徐々にゼオライマーの本来の能力を発揮させていき、ゼオライマー最大の必殺兵器「メイオウ攻撃」によって、ランスターを塵と化します。
ゼオライマーには、壮大なる計画(プロジェクト)がしこまれていて、マサトは否応なくそれに巻き込まれていきます。
マサトの運命は?ゼオライマーと「ハウドラゴン」の「八卦ロボ」との激闘の行方は?謎の美少女、美久の正体とは?マサトの思惑を無視して、何者かが仕掛けたプロジェクトは進んでいくのでした……。
以上が、『冥王計画ゼオライマー』のあらすじです。
■次元連結システムによる無限のパワー!ゼオライマーの強さが熱い!
ゼオライマーはOVA4巻分、2時間弱の時間しか本編がない、短いお話です。その中に、割と複雑な話の内容が組み込まれていて、どちらかと言うと物語としては悲劇的な展開を最終的には迎えます。
しかし、その少し重苦しいストーリーの中でも、この作品の心を熱くさせる部分はちゃんとあります。それは、主役ロボの「ゼオライマー」の強さが、アニメ史の中でも、かなり上位に位置するほどの戦闘能力を有している、と言うことです。
その強さの秘密こそ、作中で語られる「次元連結システム」です。異次元から、無尽蔵にエネルギーを得る事により、ゼオライマーは特に攻撃能力においては比類なき力を発揮します。
今回のコラムのタイトルの中にある「メイオウ!」と言うのは、ゼオライマーの必殺兵器「メイオウ攻撃」を放つ時にゼオライマー自身(?)が発する声のようなサウンドエフェクトで聞き取れる単語です。
そして、この「メイオウ攻撃」を喰らって耐えられる存在は、前回のイデオン同様、あまりアニメのロボットの中でも多くはないと思われます。
あらすじでは書いていませんでしたが、実はゼオライマーは元々「ハウドラゴン」が作った「八卦ロボ」の一つでした。
それがとある理由によって(この部分は割と物語の根幹に触れるので、割愛します)日本政府に渡ることになり、「八卦ロボ」と対峙することとなるのですが、ゼオライマーは他の八卦ロボとは戦闘能力において桁が一つ違う印象を受けます。
前回の『伝説巨神イデオン』と同じような、「無双するスーパーロボット」の熱さが、この作品にはある、と言っても過言ではないでしょう。
■ゼオライマーの真の熱さは原作にあり!OVAをチェックしたらそちらも必ずチェック!
ゼオライマーは、dアニメストアなどの各種配信サイトで、気軽に見られます。更に言えば何しろ全編で2時間弱ほどの長さしかありませんので、かなり気軽に見られるアニメ作品と言って良いでしょう。
しかし、実は今回のコラムでこのOVAを紹介しておきながら、こういう言い方はちょっと問題があるかもしれませんが、実は「ゼオライマー」というロボットの真の熱さを見られるのは、OVAよりも原作の漫画作品の方にあるのです。
原作の漫画は「ちみもりを」先生が描いた同名漫画で、徳間書店さんから全一巻が、現在発売されています。実は、この作品、80年代当時の成年漫画誌で最初の連載がされていました。
その為、実はかなり過激な性描写もあったりしますが、単純な「ロボット物」としてのクオリティは、OVA版よりも漫画原作版の方がはるかに上だと、個人的には思っています。
OVA版の「次元連結システム」は確かにかなりの戦闘力をゼオライマーにもたらしていますが、それを上回る能力が漫画版のゼオライマーには確実にあります。
その能力を実現させているのが、漫画版における「超次元システム」と呼ばれているものです。
異次元から無尽蔵にエネルギーを取り入れる事が出来るのはOVA版と変わりありませんが、敵の攻撃を喰らっても一瞬で再生可能等、明らかにOVA版よりも非現実的な能力を有していると言っても過言ではないでしょう。
前回のイデオンの「無限力(むげんちから)」による戦闘能力も天文単位の膨大なものでしたが、局地的な戦闘能力で言えば、イデオンに負けないレベルのものを持つ、それが漫画版のゼオライマーです。
是非、この超常の力の描写を楽しむ為にも、OVA版でゼオライマーの世界に興味を持った方は、原作漫画版を読んで欲しいところです。
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(あにぶ編集部/あすかつぐよし)