訪日外国人の消費、17年4-6月期は四半期で過去最高に

2017年7月28日 11:43

 観光庁が訪日外国人の消費動向調査を発表。17年4-6月の消費額は1兆776億円と前年同期(9534億円)と比べ13.0%増加し四半期で過去最高の数字となっていることが判明した。

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 ただし1人当たりの支出で見ると14万9,248円となり前年同期(15万9,933円)と比べ6.7%の減少。尚、1人当たりの消費支出の減少は16年第1四半期から6四半期連続で継続しており、爆買いブームは完全に過去のモノとなりつつある。

 また訪日外国人1人当たりの旅行支出が高い国は、1位イギリス(25.1万円)、イタリア(23.3万円)、中国人(22.5万円)となっており、爆買いブームで一世を風靡した中国人観光客の購買行動は確実に変化しつつある。

 一方で、訪日外国人旅行者数は722万人と前年同期596万人より21.1%上昇。1人当たりの消費金額は減りつつも、訪日外国人旅行者数全体が増えていることが、消費増に繋がっていることが判明している。

 訪日外国人は中国人を中心にリピーター客が増加しつつある。よって1人当たりの消費支出が減少するのもやむを得ない面がある。現状は訪日外国人数の増加というパイの増加が消費額の増加を後押ししているが、いずれ頭打ちとなる可能性は否定できない。

 消費額の費用項目で見ると、1位買い物(38.5%)、2位宿泊料金(27.5%)、3位飲食費(19.4%)となっているが、娯楽サービス費は3.2%に留まっている。コト消費とも言える娯楽サービス費が殆ど点火していない状態と言え、訪日外国人の消費喚起は今後娯楽サービス部門が鍵を握っていると言える。

 和服や忍者体験等、日本には外国人が魅力に感じるサービスコンテンツはまだ多数存在している。コト消費は日本が得意とする「おもてなし」が発揮できる分野であり、また初回の体験で感動すればリピーターともなりやすい。1人あたりの訪日外国人の消費支出は減少を続けているが、その解消の鍵はコト消費の活性化が握っている可能性がある。外国人旅行客のコト消費の活性化は、日本が観光大国に脱皮するための大きな鍵を握っていると言えそうだ。(編集担当:久保田雄城)

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