ジョコビッチ今季欠場決定、錦織にチャンス到来か?

2017年7月27日 20:21

■ジョコビッチが今季欠場を発表

 男子テニスのノバク・ジョコビッチが、肘の怪我により今シーズンの大会を回避することを明らかにした。ここ最近は全盛期の切れはなく精彩を欠いていた。トーナメントの序盤で姿を消すなど物足りない結果に陥っていたわけだが、その反面出場する大会では常に優勝候補の一角に名を連ねていた。

 そのジョコビッチが欠場することで錦織圭にとってはチャンスが来たといってもいいのではないだろうか。いわゆる現在のテニス界のビック4。先日ウィンブルドンで優勝したロジャー・フェデラー。フェデラーの永遠のライバルともいえるラファエル・ナダル。オリンピックで2度金メダリストに輝き、現世界ランキング1位のアンディ・マリー。そして今シーズン欠場を発表したノバク・ジョコビッチ。ビック4の一角がいないとなれば、当然チャンスは増えるだろう。

■錦織の存在感

 2014年の全米オープンで決勝まで勝ち進んだ錦織は「グランドスラム制覇も近い」と思われていた。しかし、以降は近づくどころか、決勝戦に進出することもない。

 試合内容でも、しばしばラケットを折ったりするなど、非難を受けることもある。現在も世界ランキングは8位と、グランドスラムでのタイトル獲得は夢ではない実力を持っているが、いざ大会が始まると準々決勝や準決勝の壁に阻まれている。

 それでも錦織のポテンシャルを知るトップテニスプレーヤーは「彼はグランドスラムを制覇する実力を持っている」と口にする。しかしそこに至らないのには何かが足りていないのだ。

■錦織に足りないもの

 錦織に足りていないものが何かは分からない。絶対的な実力なのかもしれないし、全力を発揮することができる調整力であるかもしれない。しかしほんの少しの部分が足りていないためグランドスラム制覇に手が届いていない。

 もし仮にそれが「運」というのであれば、今季は狙い目ではないだろうか。ウィンブルドンで不死鳥のごとく復活したロジャー・フェデラーだが、もともと芝に強く、全米で同じ結果が出せるかは分からない。アンディ・マリーも今季は本調子とは言えず、4大大会でも全仏の準決勝が最高だ。

 そしてノバク・ジョコビッチの欠場は錦織をグランドスラム制覇に一歩近づけた。そして何より錦織自身、昨年も準決勝にまで勝ち進んだ全米オープンは、最も力を発揮できる大会ではないか。今年最後のグランドスラムで、錦織の快進撃を期待したい。

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