Firefox 55/56、極端に多くのタブを開いた状態でも高速起動が可能に
2017年7月26日 08:49
headless曰く、 Firefox 55と56では極端に多くのタブを開いた状態での起動時間が大幅に短縮されるそうだ。1,691個のタブを開いているというMozillaの開発者、Dietrich Ayala氏がテスト結果を公開している(The New Firefox and Ridiculous Numbers of Tabs、On MSFT)。
ここまで多くのタブを開いている理由は説明が難しいようだが、最近ではFirefoxを起動するのに数分を要していたという。テストではFirefox 20、30、40、50~56を使い、Wi-FiをオフにしたMacBookでページ読み込みエラーが表示されるまでの時間を測定している。Firefox 10も試してみたが、永遠に起動しなかったのでやめたそうだ。
起動時間はFirefox 20で1分半ほどだったのが、以降のバージョンでは分単位で長くなっていき、Firefox 51では8分近くかかっていたようだ。Firefox 52~54では改善されているが、それでも4~5分を要している。これに対し、Firefox 55では15秒で起動したとのこと。結果は棒グラフのみで具体的な数字は記載されていないが、Firefox 56の起動時間も同程度となっている。
また、起動から1分後のメモリー使用量はFirefox 20で1GB強だが、Firefox 30~54では2GB前後まで増加している。しかし、Firefox 55/56では500MB以下まで減少したそうだ。この時点で実際のWebページは読み込まれていないが、1.5GBの差は大きい。
この改善は数多くのタブを開いている場合の起動時間とメモリー使用量を減少させるため、4年前から検討されていたBug 906076の成果だという。Project Quantumのサブプロジェクト、Quantum Flowでも重要な成果として取り上げられている。
なお、2012年にWin64 Firefoxのナイトリービルド停止が決定した際、強い反対にあって継続することになったが、このときに数千のタブを開くためにWin64ナイトリービルドを利用するユーザーの存在が重要な理由として挙げられていた。