【第24回香港ファッショウィーク春/夏(3)】香港から世界にアピールできたか

2017年7月23日 16:04

 「第24回香港ファッショウィーク春/夏」(香港貿易発展局主催)では、約1,100社によるブース出展のほか、出展者によるフロアショー、最新トレンドやテクノロジーに関するセミナー、また地元香港の学生たちによるランウェイショーなど豊富なプログラムが実施された。伊国際靴見本市「ミカム」による初めて出展し大型ブースを構えるなど、世界各地から来場者が訪れる同展示会での国際的アピールをにらんだ取り組みが見られた。会期中のトピックを写真とともにお届けする。

伊「ミカム」が参加 自国の靴産業をアピール

 2016年イタリアから香港への靴の輸出量は前年比1%減を示したものの、輸出額は3・5%増加。香港はイタリア靴の5番目の輸入上位国(中国は11位)であり、依然アジアにおける重要なマーケットであるとして、イタリア貿易振興会(Italian Trade Commission)が、伊ミラノで9月に開かれる国際靴見本市「第84回ミカム展」のプロモーションを行った。フロア中央部に構えた大型ブースでは、「The Seduction of Footwear(フットウエアのいざない)」と題し、イタリアメイドのヒール靴約50足を展示。会期2日目に行われたセミナーでは、デザイン性・品質の高さを強みに、モード界に貢献してきたイタリアの靴の歴史を紹介した。

マカオ デザイナーの卵たちがコレクション披露

「MACONSEF」在籍デザイナーたち 出展企業と同様にブースも構え、商談に臨む

 マカオがファッション産業振興を目指し強化しているのが、デザイナー育成によるファッション文化の創造。今回コレクションを披露した「マコンセフ(MACONSEF)」は、マカオ唯一のファッション&クリエイティビティーのスペシャリスト養成機関である「ハウス・オブ・アパレル・テクノロジー」(HAT)で18カ月間のディプロマプログラムを修了した生徒が、さらに2年間、ファッション業界でキャリアを築くための実践的なコースを受ける機関。今回の同展示会参加も、その一環。マーケティングを行い、より市場ニーズに合う作品を制作することが課せられている。  今回は、ユニース・チョン、カリーナ・ラオ、セレスティノ・マリア・コルドヴァ、ユナ・リョン、ミッキー・チェの5人が参加した。

ウールマーク・カンパニーが新しいファブリックを発表

 ウールマーク社は、「新世代のメリノ・イノベーションーウール・デニム・ウェア&ウール・スニーカー」と題したセミナーで、最新のデニム・ファブリックとその関連アプリケーション技術を紹介した。ウールの防汗、通気性、臭気および保温性がスポーツウェアに使用するのに理想的であると説明。耐摩耗性の高さもスポーツシューズに適しており、多くのスタイルに対応できることを強調した。また、運動後の筋肉疲労を軽減するために羊毛・ナイロンに遠赤外線機能を組み込む取り組みが進んでいることも明かした。

地元香港の学生たちがランウェイショー

PolyUの大学院生による卒業作品 Theiの学生によるショー CUSCSの学生によるショー

 通常、6月で授業が終了する香港。香港理工大学(PolyU)の大学院生による卒業作品や学生たちのインティメート作品が披露されたほか、香港中文大学(CUSCS)や香港高等科技教育学院(Thei)の学生らもランウェイショーを実施。フレッシュな感覚とともに香港クリエーションの広がりを見せた。

来場者増につなげられるか 次回「センターステージ」

 クリエイターブランドを集めた国際展示会「センターステージ」(香港貿易発展局主催)が今年で2回目を迎える。9月6~9日の開催を前に、香港ファッションウィークの会場でも大型プロモーションを行った。名前や連絡先を登録すると、旅行などのプレゼントが当たるキャンペーなども併せて実施。前年は、200ブランドが出展し、71カ国・地域から8,300人を動員した。

(取材:アパレルウェブ編集部)

関連記事

最新記事