急増する防水スマホの実力は?CMみたいに海やプールで使っても大丈夫?

2017年7月22日 19:38

 夏になると、海やプールに出かける機会が増える。数年前まではiPhoneに防水機能がついていなかったため、スマホは防水ケースに入れて使う人がほとんどだったが、最新のiPhoneは防水機能付きをうたっている。実際には、海で使っても大丈夫なのだろうか?

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 どのような防水機能つきのスマホでも海では使えない。現在の防水機能はあくまで「常温の水道水の中に落ちても大丈夫」ということを基準にしており、海水の中で使うことは前提にしていないからだ。プールでも使うことはできない。プールは衛生上一定濃度の塩素が入っているため、水道水とは言えない。

 また浴室で使っているCMもあるが、これもおすすめできない。お湯に入浴剤が入っている場合は水道水とは言えないが、入浴剤が入っていなくともお湯は「常温の水」ではないので故障の可能性がある。防水対応でも「温水防水対応」ではないからだ。

 また、シャンプーやボディソープなどがかかる危険性もある。温水の目安は40度程度だ。京セラの「DIGNO rafre」などは「ハンドソープで洗え、バスルームでも使えるスマホ」とうたっている。どうしてもバスルームで使いたいならそういう機種を選ぶ必要がある。

 「防水スマホ」とどこまで防水なのか。少し濡れた手でも普通に操作できる、使用前のトイレに落としても壊れにくい、テーマパークやプールのアトラクションで水がかかっても大丈夫、雨の中でも使える、という程度だ。しかも、使用しているうちに防水機能は落ちていく。防水にするためのゴムパッキンが劣化するからだ。防水機能を万全にしておくためには、異常がなくても2年に1回程度パッキン部分を交換する必要がある。これは有償修理になる。

 防水に気を使って「スマホ用の防水ケース」を使っている人も多いが、これもあまり長時間は使わない方がいい。水に濡れなくても外気温が高いので、高温で破損する危険性もあるからだ。防水ケースに入れたままで長時間スマホを操作すると、かなり熱くなってくるはずだ。こうなると危険なので、使用せずに水の掛からない場所でケースから出して放熱する必要がある。

 万一水濡れで故障した場合は、とりあえず乾かして携帯キャリアのショップで相談しよう。通常の補償では水濡れは有償修理だが、オプションの補償サービスに入っていれば無料で交換できることもある。(記事:成瀬京子・記事一覧を見る

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