ルネサス、車載プラットフォーム「R-Car」が人工感性知能に対応
2017年7月22日 09:16
ルネサスのR-Carがソフトバンク傘下のcocoro SB社の人工感性知能に対応すると発表した。ドライバーの感情を理解して最適に応答する自動車の実現が可能になるという。
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人工感性知能って何?と言う人でも、ソフトバンクのペッパー君(Pepper)は知っているのでないだろうか。ペッパー君に搭載されたのが人工感性知能である。
●自動車の感情を育成し表現するサービスを提供
自動運転時代に向けて、自動車とドライバーとの新たなユーザインタフェース(UI)の向上を図るために、人工感性知能を活用し、ドライバーの感情を取得する。感情を認識すれば、例えば、手動運転と自動運転の切り替え時に、言葉の同意と不安感情とを認識して、「自動運転を見合わせますか?」といった親切な応答が可能になる。
なお、人工感性知能に対応した開発キットを、車載関連メーカやIT企業にも提案していくことで、新しいUIの開発やモビリティ市場での新たなサービスを創造していくという。開発キットは年内にリリースする予定。
●車載用プラットフォーム(ルネサス R-Car)の特徴
R-Carは、ルネサスの自動運転時代の車載コンピューティング・プラットフォームであり、自動車の機能安全規格ISO-26262(ASIL-B)に準拠する。SoC(System On a Chip)のCPUにARMを搭載し、最高レベルの性能を実現したという。また、180社以上からなるR-Carコンソーシアムを結成し、国内外の英知を結集している。
●自動運転(ルネサス R-Car)のキーテクノロジー
SoCやSiP(System in Package)の半導体技術を用いたリアルタイム性と機能安全規格ISO-26262(ASIL-B)に準拠する機能の充実は、ルネサスの経験と実績の成せる技である。また、人工感性知能AIをUIの柱に据えることは、手動と自動の相互切り替えへの斬新な考えである。
知能には、学習で得られる後天的な知能と、先天的な感性知能があるという。人工感性知能は、先天的な感性知能であって、音声分析による音声感情認識技術と各種センサーの情報から、擬似的にホルモンバランスを形成することによって、感情を生成するという。東京大学特任講師の光吉俊二氏の研究を基本にした日本発の技術であり、ソフトバンク傘下のcocoro SB社との共同開発で実現した。(記事:小池豊・記事一覧を見る)