ベネズエラの憲法総会の候補者、ビットコインの合法化を求める
2017年7月20日 15:30
*15:30JST ベネズエラの憲法総会の候補者、ビットコインの合法化を求める
ベネズエラの憲法総会の候補者であるホルヘ・ドーマー(JorgeDommar)氏は、最近、暗号通貨導入を求めるビデオを発表した。暗号通貨導入はベネズエラを世界市場へのアクセスを促進させ、同国を世界の新しい金融システムの最先端に導くと主張した。
同国で暗号通貨の採用を明確に支持するこの候補者は、国民の政府依存度が低く、国際貿易に暗号通貨を使用する制度の採用を選挙活動で国民に訴える。
ホルヘ・ドーマー氏は、政府が課した規制に対処するために、このような新たな技術の使用を提案する最初の政治家である。憲法制定選挙は7月30日に予定されている。
■ベネズエラにおける暗号通貨の採用
CCNが以前に報道されたように、ベネズエラという国は、超インフレと政府政策の両方によって国民が外貨にアクセスすることを阻止し、国家危機に陥っている国である。様々な報道によると、ベネズエラではウエスタンユニオン(WesternUnion)とペイパル(Paypal)のどちらかしか使用できないため、国民の多くがビットコイン(Bitcoin)や他の暗号通貨に頼って生き延びているという。
暗号通貨はベネズエラ国民がこれらの制限を回避することを助ける。たとえばビットコインとダッシュ(Dash)を使用することにより、Amazonなどのオンラインマーケットで使用できるギフトカードを買い、海外から商品を購入することができる。
ベネズエラ商工会議所VenezuelanFederationofChambersofCommerceFEDECAMARASのノエル・アルバレス(NoelAlvarez)前会長によれば、ビットコインはまだ国民のほとんどが使用していないという。アルバレス氏は、最大で国民の1%しか暗号通貨にアクセスしていないと述べ、これは、暗号通貨の運営を行うには暗号通貨の取引量があまりにも低いことを意味する。
政府の失敗や超インフレに対して国民を援助することを考えると、暗号通貨制度採用を思い留まる要因として、国民の携帯に暗号通貨が保存されていること、又、犯罪がベネズエラでは比較的一般的であることである。さらに、ベネズエラは過去にビットコイン所有者に親切ではなかった。
■ベネズエラのビットコインに関する批判
暗号通貨は、現在、同国でグレーゾーンの領域にある。それにもかかわらず、ベネズエラ当局は過去に同国のビットコイン所有者を抑圧してきた。報道によると、同国の国有インターネットサービスプロバイダーであるCANTVは、ビットコイン関連のウェブサイトとマイニングプールをブロックした。また、ベネズエラ最大の取引所SurBitcoinは、Banesco銀行が口座を閉鎖した後、一時的に業務を停止しなければならなかった。さらに、マイニングセンターも停止された。
しかし、CCNが先日報道したように、最近ベネズエラではモンキーコイン(Monkeycoin)と呼ばれる新しいビットコイン取引所が開設された。その取引所の代表者によると、モンキーコインは同国において最初に規制されたビットコイン取引所であるという。取引所の宣伝文句は、KYCKnowYourCustomerやAMLアンチマネーロンダリングなどの問題について当局と協力しているということである。(出典:CryptoCoinsNews)
▽参考
ハイパーインフレのベネズエラで政府許可のビットコイン取引所開設
■エムトレの視点
ベネズエラのような法定通貨が不安定であったり、政治政策的な抑制、抑圧状態にある国においての仮想通貨(暗号通貨)の有用性は高い。しかしながら、同国政府の対応のように、国の政策意向にそぐわないサービスが抑圧を受けるのは同国のみではない。同国のBitcoinを始めとする暗号通貨の利用率が低い要因の一つとして、情報が行き渡っていないことがあげられる。ドマー氏のように政治家が暗号通貨の推進を行うことは非常に珍しい。7月30日の選挙においてどの程度国民の指示が得られるのか期待して見守りたい。そしてベネズエラの経済発展のためにも暗号通貨、デジタル通貨を有用に役立て、経済的成長を遂げることを期待したい。
【ニュース提供・エムトレ】《FA》